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第十話 ページ11

「日下部くん、一緒にご飯でもどうだい?」


離婚訴訟から暫く。

進藤先生は毎日俺へのアプローチを忘れない。

これはきっと、俺が先生よりも先に十回勝たないと終わらないのだろうと考えると、溜息しか出てこない。

この前は出掛けて帰ってきたら、彼が俺の椅子に座って優雅に珈琲を飲んでいた。


「マキさん、珈琲お上手ですね」

「あら、そうですか?」


にこにこと嬉しそうにするマキさん。

お菓子まで準備し始めた彼女に『何でこの人入れたんですか』とこっそり言えば、「だって美形の先生ですもの」って。


「それに愛想いい方ですし、この方も弁護士なら大丈夫でしょうと思って」


全然大丈夫じゃない。

愛想がいいのは作ってるからだよマキさん、騙されちゃダメだ。

こうしてマキさん公認にもなってしまった進藤先生は、人をたぶらかしながら今日も俺に電話を寄越した。

それが冒頭の一言。

この人暇人何だろうか、いや違うだろうけど。


『……仕事、無いんですか』

「ああ、詳しくは言えないが金銭関係の弁護が一つ」

『だったら仕事に集中してくださいよ……』

「まぁ、待ってくれ。

今日のところはクライアントと話をするだけだったから、午後からはフリーなんだよ」

『事務所に帰って資料作成でもしたらどうです』

「ご飯くらい」

『嫌です』


そうきっぱり言いきれば、進藤先生は暫く黙ったかと思うと。


「はっ!

じゃあそっちで仕事するから資料とランチ持って来ていいか!」

『分かりました、ご飯行きましょう』


この人を事務所に上げてはいけない。

何をしでかすか分かんないからね。

俺は彼から時間と場所を聞き、通話を終えた。


『……この人に十回も勝たなきゃいけないのか』


とても、気が重い。

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塩架 - コメント失礼します!BLに目覚めそうです。一つ一つの言葉が凄く、なんて言うか分かんないけど凄いんです!←語彙力無。 面白いです!無理しない程度に更新頑張って下さい!!! (2019年2月25日 22時) (レス) id: dfbaedbf2e (このIDを非表示/違反報告)
Ratte*らて(プロフ) - に"ゃー、最高じゃあ…今回も最高に面白いっ!更新頑張ってね!応援しとる(´ω` )! (2019年2月24日 19時) (レス) id: 1d7a6576dd (このIDを非表示/違反報告)
野良神@ドリルというBOSSを倒すまで低浮上(プロフ) - 面白かった!更新頑張ってp(^_^)q (2019年2月24日 15時) (レス) id: 3aee3d3601 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:空弥 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2019年2月23日 19時

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