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残さず美味しく喰らいましょう【空弥】 ページ3

最初に異変が起きたのは、ほんの一年前のことだった。

突如として、味覚が消え失せたのである。

ふと、朝食の味噌汁を口にした瞬間、それを水かと錯覚した。

否、水でも無い、味もしない、気持ちが悪い。

でも「食べない」というのは、作った料理は全て食べる、という俺のポリシーに背くことになるから、無理矢理に全てを腹の奥に押し込んだ。




「……どうしたんだよ、今日」


昼食の時。

仕事場であるオフィスを早々と抜け出し、屋上で本を読んでいた俺は視線を上に寄こした。


「稜」


稜は幼馴染であり、現恋人。

男同士であったため気持ちを伝えるのに時間がかかってしまったが、二年前にようやくこの関係になることができた。

恋人になって気づいたことは、俺と話すときだけほんの少し目尻を下げて、優し気な笑みを作ること。

普段仏頂面のこいつが「俺だけに見せる顔」、等と脳内で独占欲を膨らませては、その幸せにどっぷりと浸る。

稜は、すとんと俺の隣に腰をおろした。


「普段テラスなのに、今日は屋上?」

「いや、まぁ。

ここは人来ないし、いいだろ」

「昼飯は?」

「あ、その」


立て続けに質問を繰り出されて、思わずたじろぐ。

「ちょっと待ってくれ」と手を出すと、ふん、と稜は鼻で笑った。


「何か理由でもあんの」

「それがな……。

食いたく、無いんだよな」

「は?」


怪訝そうに眉を顰める稜。

俺は「ううん」と唸ってみせると。


「何だろうな。

食べ物の味が今日の朝から全くしないんだ。

さっきもコーヒーを口にしてみたが、どれもこれも味がしなくて美味しくない。

噛んでも味がしないんだ」

「美味しくないからって、食べなきゃ」

「嗚呼、分かってる」


分かっていても、美味くもないものを口にするのは億劫だ。

目を閉じて息を吐くと。


「……俺が、食べさせてやろっか」

「は」

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ユキ@オリジナル専用垢 - お二方、とても表現や描写がとにかく綺麗で凄いです!ケーキバースやアイスバース、素敵ですよね!空弥さんが書かれたケーキバースの続きとアカツキさんが書かれたアイスバースをもっと詳しく……!これからも応援してます! (2018年10月24日 0時) (レス) id: 0a176a81d1 (このIDを非表示/違反報告)
林檎.☆ - 面白かったです。 更新、頑張ってください。 私は、初めてですがオリジナル作品を1つ書いてます。 あの...良かったら私の作品の題名を教えますか? (2018年10月23日 19時) (レス) id: b7d309d2d4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:空弥×アカツキ@鞠 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/karaichi2422/ http://uranai.nosv.org/u.php/h...  
作成日時:2018年10月23日 19時

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