酔狂な賭け事 椿 【BL】【男主】

第二十五章 ページ26

俺がそう言うと、「幸せそうで」とメイドさんは口元に手を当てて、くすりと笑んだ。


「今はお一人で？」

『あ、嗚呼、ちょっと外に……』

「でしたら、御戻りになるまで私がお相手いたしますよ」

『いいんですか？』

「勿論」


メイドさんは置きっぱなしだった俺の皿を手に取ると、適当にその近くにあった料理を丁寧に盛り付けた。

その中に、ちゃんと俺の食べたかったエビチリも入っている。

彼女の手際の良さに、「流石はいつも給仕をしているだけはある」と感嘆の息を漏らした。


「はい」

『あ、ありがとうございますっ』

「いえいえ」


料理に箸をつけ、口に入れてから咀嚼する。

どれもこれも美味しくて、俺の作る料理とは比になら無い。


『わ、美味しいです』

「それはよかった！」

『あの、椿さ……、椿お嬢さんは、毎日これを？』

「うちはそうですね、品数はおおよそ減りますが。

それぞれの組には専属の料理人がいるところもございますから、……嗚呼、柊は居らっしゃった筈では？」

『聞いたことないです……』


だとしたら、葵さんは質素なのを食べさせられてるってことだよね。

料理の腕、あげなきゃ……。


「Aさん」


名前を呼ばれ、そちらを見る。

メイドさんは紫色の液体の入った、年代物の瓶を掲げて見せた。


『……ボルドー？』

「お酒、大丈夫でしょうか？」

『え、ええ、ちょっとなら』

「これ、奥様のお気に入りの品だそうで。

もし直接接待をするのであれば、是非進めて欲しいと」


とぷ、とメイドさんはグラスにワインを注いだ。

手渡され、それを喉に流し込む。

芳醇な葡萄の香りが鼻を抜けていく。


『あ、美味しいです！』

「もう一度お注ぎしましょうか？」


『お願いします』。

声を発したはずだった。


そう、「発したはず」だったのだ。


ぐらりと後方に傾く身体。

ワイングラスが下に落ちていく。

誰かが俺を後ろから支えた。


『……葵……さん……？』


そこから、俺の記憶はぷっつりと途絶えている。

――
考えてる裏設定


柊 葵

11/6生まれ
一人っ子でプライドは基本的に高め
剣術も体術も射撃もできるオールマイティ
洗濯ができない(というか機械に弱いだけ)
アナログ派


他のキャラも裏設定あるけどそれはちょっとずつ
葵さんはできるできないがはっきり分かれる人
身体能力ずば抜けてて勉強もできるのに機械使えない謎
男主くんと葵さんは身長差欲しい

性癖を垂れ流す【アカツキ@鞠様リクエスト】→←第二十四章

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