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第十九章 ページ20

葵さんを強く引き寄せた。

心臓の音が、戻ってくる。

どくんどくんと鳴り合って、共鳴して、それが幸せで。


『今更だよ』


そう、今更。

だから。


『何らしくないこと言ってるの。

俺だって貴方をもう手放したくはないのに』


且つては嫌いだった男を、今ではこんなにも愛している。

俺をこんなにしたのは彼なんだから、簡単に離してしまいたくはないのだ。

葵さんは「……はは」と渇いた笑いをした後、頬を俺の肩に擦りつけた。


「…………樹を引き取って、俺自身の過去を思い返して、考えた。

苦しい場所にお前を引き込んで、俺は何やってんだろうなって。

でも、……良かった」


ふと、身体が離される。

どうしたんだろうと思うと、ちゅ、と触れるだけのキスをされた。

彼の顔はもう自信を取り戻していて、屈託のない表情で笑う。

「嗚呼、好きだな」、そう再自覚する。


「……父さん、イチャイチャするなら子供の目を憚ってよ」


後ろから声がして、びくんと背が跳ねた。

見ると、さっきまで料理を手伝ってもらっていた樹が、お玉を片手にこちらを睨んでいる。


「母さん、お味噌汁できたから。

料理盛り付けてるね」

「あ、うん、ありがと」

「ちょっと待て樹、今父さんって」

「五月蠅いよおじさん」


樹がキッチンの方へと消えていく。

それを慌てたように追いかける葵さんを見て、俺はくすりと笑った。

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空弥(プロフ) - 木の実☆(このみ☆)さん» 椿お嬢様あああああ(便乗)彼女はホントはいい子ですはい……。ありがとうございます!三弾、更新いたしましたので、今後ともよろしくお願いします。 (2018年10月27日 20時) (レス) id: 87c9fca00c (このIDを非表示/違反報告)
空弥(プロフ) - アカツキ@鞠さん» ありがとん(ハァト)((某は三弾書いたでb (2018年10月27日 20時) (レス) id: 87c9fca00c (このIDを非表示/違反報告)
空弥(プロフ) - シェエラさん» ありがとうございます!ウルウルしてくださったんですか!?ほわあああ、嬉しい……。三弾、更新いたしましたので、今後ともよろしくお願いします。 (2018年10月27日 20時) (レス) id: 87c9fca00c (このIDを非表示/違反報告)
空弥(プロフ) - メロン大好き星人さん» ありがとうございます!私としても、書いてて面白い回でした。三弾、更新いたしましたので、今後ともよろしくお願いします。 (2018年10月27日 20時) (レス) id: 87c9fca00c (このIDを非表示/違反報告)
空弥(プロフ) - 桔梗さん» ありがとうございます!こんな作品を楽しみにしてくださるなんて……、嬉しい限りです。三弾、更新いたしましたので、今後ともよろしくお願いします。 (2018年10月27日 20時) (レス) id: 87c9fca00c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:空弥 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/karaichi2422/  
作成日時:2018年9月24日 15時

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