夢の通い路 ページ2
「ねぇ」
その子は、僕に柔らかな表情を向けた。
短い髪につけられた大きなリボンがゆらりと風に揺れ、その子は視線を下に落とした。
ごくり、唾を飲み込むような音がした。
「僕ね、男なんだよ」
絞り出すような声だった。
今にも消え入りそうで、小さくなってしまった身体は空気に溶けてしまいそうで。
「……父様から言われてたんだ。
女の格好をしてしか、外に出ちゃいけないって。
でも、……でもね、もう、そろそろ」
袂を握る手は、小刻みに震えていた。
「貴方と、会えなくなるんです」
その俯いた瞳から涙がこぼれる。
女物の着物に小さな染みをいくつも作っていく。
心臓がどくん、と音を立てて。
俺は、ゆっくりと彼の手を取った。
「全部、知ってました。
それでも、貴方が好きです」
*
書生くん×偉い人の子
大正ロマン的な
この後文通とかするもよし、大人になってから会うことを誓いあうもよし
まぁ、好きにやってください
是非書いてやってください!
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