第二十六話 ページ31
極道*
「……それが正しいことだと思ってるの？」
「俺は俺らしく生きるだけだ」
「……そう」
大奥は深いため息を吐いて、俺の目を見た。
その時、スマホの音が鳴る。
発信者はボディーガードからで、慌てて「発信」ボタンを押した。
「見つかったか！？」
「すみません、若。
恐らく何処かの宿泊施設に入ってしまわれたのかと」
「……っ、構わん。
俺の名前を出して中を洗いざらい探せ」
「駄目です、若！
ここ近隣の宿泊施設には政府が絡んでいたり、他の組から資金を調達しているようなところもありますから、迂闊には手を出せません。
今日のところは……」
「……ぐっ」
ぶつり、電話を切った。
「くそっ」と自分の口から言葉が漏れる。
その瞬間だった。
「……賭けをしましょう」
「は？」
今更になってこの女は何を言ってるんだ？
意味が分からないと眉間に皺を寄せると、落ち着きを取り戻した女は笑みを浮かべた。
「貴方が勝てば、許嫁の件も解消してあげるわ」
「それはさっき貴方が」
「貴方にとってメリットのない賭けではない筈よ」
ちっ、と小さく舌打ちした。
やっぱり、この女を母だとは思いたくはない。
「Aくん、でしょう？
貴方のお気に入りの子」
「……何でそれを」
「部下に調べさせたわ。
それぐらいしなくちゃ、貴方の大事にしている子のことですもの。
ねぇ？」
「なら、どうして国に帰らせようとしたんだ」という言葉を飲み込んだ。
この女のことだ、「貴方のためを思って」と綺麗ごとを吐くに決まっている。
「あの子を私の前に連れてくることができたら、許嫁の件。
解消してあげましょ。
まぁ、成田から出るイタリア行の便が幾つあるなんて、私には分からないけれど」
言葉のニュアンスからするに、どの便かを教えてくれるわけではないらしい。
俺は苛立ちをぶつけるように、スマホを床に叩きつけてから。
「……嗚呼、絶対に連れて来てやる」
大奥を強く睨みつけた。
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ぱあだよ - ア"ぁ"ずぎいいいいい！！！！！！ (2020年8月12日 22時) (
レス) id: c34795aa39 (このIDを非表示/違反報告)
空弥@ロザリオ(プロフ) - BLACKMOONさん» 返信遅くなりました、ありがとうございます！いえいえ、妄想を詰め込んだだけですよ〜w (2018年12月8日 10時) (レス) id: 87c9fca00c (このIDを非表示/違反報告)
BLACKMOON - 物凄く面白かったです。私も最近文をあげ始めたのですが、まだまだだな〜と思いました！ (2018年12月4日 20時) (レス) id: 1bda2ccaaa (このIDを非表示/違反報告)
空弥(プロフ) - soraくんさん» 返信遅くなりました、ありがとうございます！BL好きじゃない方に面白いと言ってもらえたのはめちゃくちゃ嬉しいです…… (2018年10月9日 0時) (レス) id: 87c9fca00c (このIDを非表示/違反報告)
soraくん(プロフ) - すごく素敵です。私はBLが好きではないんですけどこれは面白いです！！漫画化して欲しい…… (2018年9月24日 19時) (レス) id: 0ca2962a8b (このIDを非表示/違反報告)
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