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第二話 ページ2

正午過ぎの頃。

店の中をウロウロしていた時、他のディーラーから、「変な服を着た男がオーナーに会いたいと言っていた」という伝言を受け、俺はカジノの入り口へと走った。

入り口にたどり着くと、確かに異国の服を着た男が何人かの従者を従えてそこに立っている。

真っ青な柄の布を纏い、その上から紺色の服を羽織っている。

他の客を無意識に威圧させるようなその人の顔は、ほんの少しオーナーに似ていた。


『……あの』


おずおずと慣れない日本語で声を掛けると、その人はくるりと俺のほうを向いた。


『あの、もしかして、オーナーのお兄さん、ですか?』

「ん。

嗚呼、そうだ」


その人は目を細めて首を縦に振る。

「この人が極道なのか」と物珍し気にまじまじと彼の装束を眺めると、男は「ふは」と軽く笑った。


「着物がそんなに珍しいか?」

『き、きもの?』

「これのことだ」


男は羽織っていた服をつまんで、それから自分の着ている布を指し示す。


「お前の今着ている服と同じ役目をする装束だ。

……まぁ、俺の場合は社交辞令と殺しの場では服を変えるが」


ぞくり、肝が冷える。

今回の服は社交辞令?それとも?

この人が「マフィア」と同じ類であることを今更のように思い出して、足が震えた。

もし、この人が……。




「あんまりうちの従業員をいじめないでくれるか、兄貴」




流暢な日本語。

次の瞬間、オーナーの腕が伸びて、ぐいと強引に抱き寄せられた。

直ぐ近くでオーナーの臭いがして、心臓が五月蠅く音を立てる。


「何だ、少しからかっただけじゃないか」

「怖がってるんだよ。

そもそも兄貴が俺に連絡寄越せばこんなことには」

「些細なことでかりかりすんな、一応ここのオーナーやってんだろ」


食って掛かるオーナーとは反対に、男は余裕の表情で笑みを称えている。

Oh, non più!(嗚呼、もう!)」とオーナーは痺れを切らしたように叫んだ。


「今からカジノを案内する!

絶対に余計なことはするな!」

「はいはい」


男は「困った弟だ」と言わんばかりに小さく溜息を吐いた。

そして先に歩き出したオーナーを見やってから、「……カタギを殺すわけないだろ」と呟くように言ったのを、俺は聞き逃さなかった。

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ぱあだよ - ア"ぁ"ずぎいいいいい!!!!!! (2020年8月12日 22時) (レス) id: c34795aa39 (このIDを非表示/違反報告)
空弥@ロザリオ(プロフ) - BLACKMOONさん» 返信遅くなりました、ありがとうございます!いえいえ、妄想を詰め込んだだけですよ〜w (2018年12月8日 10時) (レス) id: 87c9fca00c (このIDを非表示/違反報告)
BLACKMOON - 物凄く面白かったです。私も最近文をあげ始めたのですが、まだまだだな〜と思いました! (2018年12月4日 20時) (レス) id: 1bda2ccaaa (このIDを非表示/違反報告)
空弥(プロフ) - soraくんさん» 返信遅くなりました、ありがとうございます!BL好きじゃない方に面白いと言ってもらえたのはめちゃくちゃ嬉しいです…… (2018年10月9日 0時) (レス) id: 87c9fca00c (このIDを非表示/違反報告)
soraくん(プロフ) - すごく素敵です。私はBLが好きではないんですけどこれは面白いです!!漫画化して欲しい…… (2018年9月24日 19時) (レス) id: 0ca2962a8b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:空弥 x他1人 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2018年9月11日 23時

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