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第九話 ページ10

和風の邸宅の前で車は止まり、男は急くように走って中に入っていった。

見たこともない緑色の縦に長い植物をまじまじと見ていれば、「それは竹、というものです」とおつきの人が教えてくれた。

初めて見る日本の家はイタリアのものよりもずっとシンプルで、でもそれに心惹かれた。


極道の男が車に戻ってくるのは早かった。

というのも、飛行機の中で提出する資料は全て終わらせてしまっていたらしい。

『俺と一緒の時は何もしていなかったのに』と言うと、「眠っているときに終わらせた」と何とも当たり前な解答をされた。


「若」


おつきの人が、彼を呼んだ。


「着きましたよ」

「嗚呼、ありがとう」


黒服がリムジンのドアを開けてくれる。

恐る恐る男に続くように車から出ると、そこには大きな高級マンションが。

極道、なんて危なっかしい仕事をしてる人だから、家ももっと大きな邸宅とかそういうものだと思っていたから驚いた。


「何だ、間抜けな顔して」

『極道さん、もっと大きな家に住んでいるのかと思ってました』

「特に仕事(喧嘩)が無いときはこっちに住んでいるんだ。

そのほうが世間的には一般人に見える。

それにいずれ俺は本家の頭になる存在だから、でかい家は要らないんだ。

結局はさっき行った場所が俺の「家」になるんだから」


そこまで言って、「喧嘩の間だけは向こうで生活するけどな」と付け足した。

そして怪訝に眉を顰める。


「そもそも俺はあの大奥が好きじゃない。

あの家にずっと住まないのも、これが原因かもしれない。

どこか偉そうで、権力があることをいいことに驕って、自分を第一に考えて行動しやがる。

義父(アイツ)はあの女のいい様に使われてるだけだし、頭と名乗る意味はあんのか……。

ったく、あの糞親父が……」


糞親父、とは彼の……、彼とオーナーの本当の父親なのだろうか。

それを聞こうと思ったが、歯軋りの鈍い音が聞こえて俺はそれを踏みとどまった。

それにしても、この人も変な生き方に苦労している。


『……あの』


くい、と彼の着物の袖を引っ張った。


「ん」

『家……、入らないんですか』


こう尋ねると、男は柔和な笑みを作った。


「嗚呼。

……ご苦労だった、お前たち。

明日は休んでいいから、今後のことは計画通りに」

「分かりました」


男たちが一礼する。

極道の男は着物の裾を翻して先に行ってしまう。


『あ、ちょっと』

「奥様」


一人の従者に声を掛けられた。

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ぱあだよ - ア"ぁ"ずぎいいいいい!!!!!! (2020年8月12日 22時) (レス) id: c34795aa39 (このIDを非表示/違反報告)
空弥@ロザリオ(プロフ) - BLACKMOONさん» 返信遅くなりました、ありがとうございます!いえいえ、妄想を詰め込んだだけですよ〜w (2018年12月8日 10時) (レス) id: 87c9fca00c (このIDを非表示/違反報告)
BLACKMOON - 物凄く面白かったです。私も最近文をあげ始めたのですが、まだまだだな〜と思いました! (2018年12月4日 20時) (レス) id: 1bda2ccaaa (このIDを非表示/違反報告)
空弥(プロフ) - soraくんさん» 返信遅くなりました、ありがとうございます!BL好きじゃない方に面白いと言ってもらえたのはめちゃくちゃ嬉しいです…… (2018年10月9日 0時) (レス) id: 87c9fca00c (このIDを非表示/違反報告)
soraくん(プロフ) - すごく素敵です。私はBLが好きではないんですけどこれは面白いです!!漫画化して欲しい…… (2018年9月24日 19時) (レス) id: 0ca2962a8b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:空弥 x他1人 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2018年9月11日 23時

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