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第六話 ページ6

ばくんばくん、と心臓が五月蠅くなる。

何処で俺は失敗した?

相手はポーカー初心者の筈。

絶対に勝たねばならない場だった。

なのに、どうして……。


はく、と乾いた息の塊を吐き出す。

他のディーラーたちはその状況に目を見開き、観客はどよめいた声を上げる。

俺の額から冷たい汗が伝い、頬を滑り落ちていく。


「……どうした?」


低い声は耳元で聞こえた。

咄嗟のことで、身体がびくんと竦み上がる。

恐る恐るその方向を向くと、さっきまで向かいにいた極道の男が笑みを浮かべていた。


『どうして、……あんなに落ち着いたプレーを』


震える声で何とかそう質問すると、男は興味なさげに視線を台の方にうつした。


「俺たちはいつ死んでも可笑しくない立場だ。

慣れない状況に少しでも動揺したらその隙に切られる。

賭け事でも同じだな。

顔の筋肉の動き一つで、一瞬にして形勢は逆転してしまう」


「さっきの賭けは危なかった」と男は呟きながら、そしてもう一度俺を見た。

そして、上着のようにして着ていた着物とやらで、俺を抱くようにして包み込む。

柔和に笑った男は、俺の頭を軽く撫でた。


「交渉の通りだ。

賭けの通りお前を貰っていく」

「ま、待て兄貴!」


オーナーだ。

オーナーは男から俺を引き剥がそうと、男の腕をぐいと強引に引いた。


「いくらAが賭けに応じたところで、オーナーの俺は良いといっていない!

彼はこのカジノでも重要な存在なんだ、だから」

「……しつこいぞ、お前」


それは、地の底から轟くような、低い声だった。

次の瞬間、オーナーの身体は横に振られる。

男がオーナー以上の力で、彼を振り払ったのだ。


「これは、俺とこいつの賭けだ。

部外者が口を挟んでいいものじゃない」


男は息を吸いこんで。


La dea vittoriosa mi sorride sempre.(勝利の女神はいつも俺に微笑む)


流れるようなイタリア語に、オーナーが目を丸くする。

男は「俺が義弟()の母国語を喋れない馬鹿だとでも思うか?」とオーナーを嘲るように笑った。

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ぱあだよ - ア"ぁ"ずぎいいいいい!!!!!! (2020年8月12日 22時) (レス) id: c34795aa39 (このIDを非表示/違反報告)
空弥@ロザリオ(プロフ) - BLACKMOONさん» 返信遅くなりました、ありがとうございます!いえいえ、妄想を詰め込んだだけですよ〜w (2018年12月8日 10時) (レス) id: 87c9fca00c (このIDを非表示/違反報告)
BLACKMOON - 物凄く面白かったです。私も最近文をあげ始めたのですが、まだまだだな〜と思いました! (2018年12月4日 20時) (レス) id: 1bda2ccaaa (このIDを非表示/違反報告)
空弥(プロフ) - soraくんさん» 返信遅くなりました、ありがとうございます!BL好きじゃない方に面白いと言ってもらえたのはめちゃくちゃ嬉しいです…… (2018年10月9日 0時) (レス) id: 87c9fca00c (このIDを非表示/違反報告)
soraくん(プロフ) - すごく素敵です。私はBLが好きではないんですけどこれは面白いです!!漫画化して欲しい…… (2018年9月24日 19時) (レス) id: 0ca2962a8b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:空弥 x他1人 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2018年9月11日 23時

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