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第一章 星降 怜疾 (藍雲) ページ1

「父さん、母さん見て見て!」


幼子の声が響く。

「どうしたの?」と優し気な声を発したはずの母は、瞬く間に顔色を変えた。

その後ろからやって来た父親も、気難しそうな眉を更に潜めた。




「嫌だ、嫌だよ、ねぇ母さん!!」


幼子をそこらの塵のように襟首を摘み上げ、見下すようにした瞳に肝が冷えた。

そこには、人間の情など籠ってはいなかった。

ただ、この怪異な化け物を遠くへやって自分は安全に暮らしたい――母の目に宿ったのはそれだけだった。



「母さんなんて呼ばないで頂戴、この妖怪」



もう、我が子の名前さえ呼ばない女は、幼子を社に放り、足早にその場を去った。

……その幼子の背には、小さな黒い翼が垣間見えていたという。









「……まぁ、それがこの世界なんだから仕方ないと思うしかないよね」


ふぅ、と息を吐きだした怜疾は、くすりと微笑する。


「その女も馬鹿だねぇ、この柵の中にいることが正しいと思ってる。

烏天狗を舐めたらいけないよ。

確かにここから出ることは出来ないから、効能は劣るけども」



にやり、口の端を持ち上げる。



「……神通力はこの村一帯程なら届くんだけれどね」



そっと、上から社へと続く階段を見やる。

そこには、がたいのいい男に抱えられた人間がいた。

それを睨む様な視線を向けてから、袂から紅色の扇子を取り出した。

優雅にそれを開き、軽く煽る。

ひゅうん、と一度風が強く吹いた。





「嗚呼、さっきの話かい?

…………そんなの、作り話に決まってるだろう?」



その男、背にほんのり藍色がかった大きな黒い翼を生えさせ。

それは、ばさりばさりと音を立て、一枚、羽を舞い散らせた。

一章 霜月夜宵 (つきみや)→



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つきみや(プロフ) - すみません!しばらく更新出来ないです、一応報告します (2018年8月24日 14時) (レス) id: a272fad097 (このIDを非表示/違反報告)
○マカロン少女●(プロフ) - 更新しました! (2018年8月22日 9時) (レス) id: f4775194ad (このIDを非表示/違反報告)
○マカロン少女●(プロフ) - 更新します! (2018年8月22日 6時) (レス) id: f4775194ad (このIDを非表示/違反報告)
つきみや(プロフ) - 更新して頂けないでしょうか…?さすがに、連続で更新するのは気が引けるので… (2018年7月26日 22時) (レス) id: a272fad097 (このIDを非表示/違反報告)
*にゃふ*(プロフ) - これは…更新しても大丈夫でしょうか??? (2018年7月11日 15時) (レス) id: 7a5cc277b1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:藍雲 x他4人 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2018年6月8日 19時

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