2 「花屋さん」 ページ3
『うぅ、出て行ったものの今日泊まるとこどうしよう……。
いっそ仕事場に泊まる?
あー、ダメだ、今日の鍵当番アシちゃんだわ』
夜の街中は暗い。
スマホをスクロールしながら皆の連絡先を見て見るけど、時間的に迷惑かなと頭を垂れる。
だって、今の時間は23時。
もしこの近くに知り合いがいたとして、終電ギリギリに彼らを呼ぶのは流石に気が引ける。
『んじゃホテルかぁ……。
この辺りで最安値って何処よ……』
「ホテル 最安値」と検索をかけたところで。
どん、と人に当たった。
その人は私の肩を軽く受け止めてくれて、このご時世にこんなスマートに助けてくれる人も居るんだ、と顔をあげた。
『あ、ありがとうございますっ。
すみません、ちょっとスマホ見て歩いてました……』
「歩きスマホは危ないですよ、……って、雨野さん?」
その声には聞き覚えがあった。
よく顔を見ると、花屋の渡井くん。
『渡井くん!
ど、どうしてここに?』
「僕ですか?
僕は今日の晩飯を買いに……。
そういう雨野さんこそ、どうしたんです?
……なんでキャリーバック?」
『わわわーっ、ちょ、ちょっと諸事情あって!』
「そうですか……。
あ、立ち話するならもう少し人の少ないところ行きましょう。
僕、時間ありますから」
渡井くんはそう言って笑うと、私の腕を取った。
ひょろひょろだと思っていた渡井くんの腕は思ったより筋肉質で、それと少しの強引な態度にどきりと心臓が跳ねた。
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ニコちゃんマーク - めっちゃ面白いです!最新待ってます!文字ってどうやったらこんなのにできるんですか? (2019年7月30日 8時) (レス) id: c2a6a5489d (このIDを非表示/違反報告)
かなと - なまむぎ。さん» この作品大好きです!更新待ってます!! (2019年7月30日 6時) (レス) id: b9832c7634 (このIDを非表示/違反報告)
リリィドール*ガチめに低浮上(プロフ) - 更新が停止となっていて、すごく衝撃を受けていた者です笑。また更新が再開されるとのことで、すごく嬉しいです!作者さんのペースで無理しない程度に頑張ってください!応援してます♪ (2019年7月15日 0時) (レス) id: e60ca59755 (このIDを非表示/違反報告)
なまむぎ。 - このお話とても大好きです!更新頑張って下さい! (2019年4月22日 20時) (レス) id: 51d094ad46 (このIDを非表示/違反報告)
Dream★World(プロフ) - この作品好きなので、移転先教えてください……!!! (2019年2月3日 18時) (レス) id: 093bdce514 (このIDを非表示/違反報告)
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