検索窓
今日:21 hit、昨日:11 hit、合計:168,111 hit

第六話 ページ7

東野は優し気に目を細める。

するり、頬に手を伸ばしてくる。


「ちょっ、何してんの東野」

「先生」


指先が頬に触れた瞬間。


「……可愛い」


びりっ、と電流が走ったような感覚。

どくんどくん、心臓が五月蠅くて喉から飛び出てしまいそう。


「先生。

……先生、好きだ」


そんな色っぽい声、……俺より一回りも小さい餓鬼の癖に。

どこから出てるんだよ、って睨みつければ愛おしそうに微笑むから、その顔を見ることができなくて。

伸ばされた手を払って、顔を背ける。


「そ、そんな台詞吐けるならクラスの女子に言ってくればいいだろ。

こんなくたびれた保健医なんて捕まえて無いで」

「先生もいつまでそんなこと言ってんだ?

俺の眼中にあるのは先生だけだ。

若い女に興味はない」

「若い女ってお前……」


自分と一二歳しか変わらない女子生徒だろ、と言おうとしたら、耳の穴を舐められた。


「ひやぁっ!?」


ぬるりとした感覚に思わず慄き、鼻にかかった少し高い声が出る。

慌てて耳を抑えてそちらを向けば、捕食者はゆっくりと目を細めて。

熟れた果実のような紅の舌で、自分の下唇をぺろりと舐めた。

それはまさに、獲物を前にした獣そのものーー


「先生」


東野がまた俺の頬に手を伸ばす。

顔が近づいてくる。

「逃げられない」、そう悟った。


「……愛してる」


唇同士が触れあった瞬間。

心臓が大きく脈を打った。

トプ画配布→←第五話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (207 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
338人がお気に入り
設定タグ:BL , 名前変換オリジナル , 男主 , オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ゆりか(プロフ) - 続きがみたいです!!更新待ってます!!応援しています^ ^ (2020年8月12日 20時) (レス) id: ce3588ab80 (このIDを非表示/違反報告)
内緒の小話(プロフ) - めっちゃ面白い!!!くーちゃん僕が誰だかわかるかな??? (2019年2月18日 20時) (レス) id: 3047c105ea (このIDを非表示/違反報告)
チョコどうめい - 占ツクやめないで! (2019年2月9日 9時) (レス) id: 55fb495860 (このIDを非表示/違反報告)
デ・ロイテル(プロフ) - 面白いです。頑張ってください。 (2018年9月30日 16時) (レス) id: 707fc28c68 (このIDを非表示/違反報告)
空弥(プロフ) - 夕霧さん» ありがとうございます!私も設定考え付いた時萌え禿げましたww更新頑張ります! (2018年9月30日 4時) (レス) id: b499e5a85b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:空弥 x他1人 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2018年8月28日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。