第八話 ページ9
「Aさん、おはよ」
「おはよう、今日も早いんだな」
「まぁ。
泊まらせてくれるところ探さなくていいから、毎日ぐっすり眠れるんだよね。
Aさんだったら警戒しなくてもいいし、寝不足にもならない」
「確かに俺は襲う気ないが……」
裕翔がここに住むようになってから、一週間。
あの日からは考えられないほど彼は早起きで、朝食もまともなものを出してくれる。
今日も前髪をまんまるの玉がついたゴムで小さく結んで、フライパンで器用に材料を炒めていた。
そのぴょこん、とはねた前髪を指でつつく。
「ちょっと」
「いや、可愛くしてるな、と思って」
「何それ」
俺たちは一緒に住むだけの仲だ。
それは分かっているけれど、あの日覚えた感情を思い出すと、彼にちょっとした悪戯を仕掛けたくなるのだ。
自分でどう定義すべきか分からないくらい、あの強い気持ちを。
「Aさん？」
ふと名前を呼ばれ、我に返る。
裕翔が俺のお弁当を持って、首を傾げていた。
「え、嗚呼、ぼうっとしてた」
「もう……。
あ、お弁当。
あー、ネクタイずれちゃってる」
お弁当を俺に握らせた後、ネクタイを器用に直してくれる。
ふわりと微かなフェロモンの匂いがして、ついムラッとしてしまった。
「はいっ、できた」
ぱっ、と裕翔が離れる。
綺麗に整えられたネクタイを見て、それから裕翔に視線を移すと。
小さい子のような無邪気な笑み。
「お仕事、頑張ってね」
「あ、嗚呼」
これ以上一緒にいたらマズイ。
慌てて荷物を抱え、部屋を出た。
つい、抱きしめたくなる。
その頬に、その唇にキスしたくなる。
むくむくと高まる欲望と、比例する苦しいくらいの甘い感情。
「……アイツ、自分が可愛いって自覚あんのかな……」
額に手を当てて、重たい溜息を吐いた。
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空弥(プロフ) - 桜坂さん» わああああ、よきですよきですっ。電車でイチャイチャしてるところめっちゃ書きたいです……。ありがとうございます、更新ゆっくりですが、お付き合いいただけると嬉しいです (2018年11月10日 21時) (
レス) id: 87c9fca00c (このIDを非表示/違反報告)
桜坂(プロフ) - 以前コメントさせて頂いたものです！デートの案なのですが遠出して海を見に行くなどもいいのではないでしょうか？電車の小話とかも出来ますし、それとこれからもゆっくり頑張ってください (2018年11月7日 19時) (レス) id: 96c3d36cf4 (このIDを非表示/違反報告)
蒼紫(プロフ) - 希羽( ￣▽￣)さん» 18↑のほうに書いてます。オブラートに包んでないので(汗)18になってからまた読みに来てください！ (2018年9月9日 14時) (レス) id: 87c9fca00c (このIDを非表示/違反報告)
希羽( ￣▽￣) - 第17話の間の話って、18↑ですか？ (2018年9月9日 12時) (レス) id: 0d606e3b63 (このIDを非表示/違反報告)
希羽( ￣▽￣) - もう最高ですぅぅぅ、、、。 私まだ18↑読めないんですよね、、、、。残念過ぎます、あと何年だろう。 (2018年9月9日 12時) (レス) id: 0d606e3b63 (このIDを非表示/違反報告)
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