車で轢いた女は片思いの人だった - 【三途春千夜】 (ページ5)

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事故から二日目、私は家から出られなくなった。

そう、私は右足を骨折しているからだ。

(最悪だ。骨折だって聞いてないぞ)

右足を骨折しているせいで、仕事に行けることも家に帰ることもできなくなってしまった。

介護する人は…そう、ピンク頭だ。

「右足を骨折してるから安静にしてろ」

「逃げたら探すからな」

『は、はい…』

まあ、介護してくれる人には感謝だな。

でも、左足は使えるから動くことはできるな。危ないときは頼ろう。

「ッチ」

LINEを見ていた。ピンク頭は嫌そうな顔をしていた。

ピロンッとLINE音が鳴り、読んでいると驚いた顔をした。

焦っているのかスマホを置く。

「すまんが、俺の部屋に隠れてくれ」

『分かった』

立ち上がると、ドアが開く音が聞こえた。

二人の喋る声が聞こえる、その間に急いで部屋に入る。

「入るぞー♡ヤク中」

「っよ、ヤク中」

「うっせぇ！黙れ糞谷」

三人の会話が始まった。ピンク頭の部屋に待機する時間が長くなりそうだ。

暇だから会話聞いておこう。

ドアの隙間を除く。仕事の話をしているのかな？

「ヤク中さぁ～、轢いた女ここに連れてきてんだろ～？♡」

「は？！連れてくるわけねぇーだろ！💢」

「へ～…」

「轢いた女見つけたとき連れて来いよ～？♡」

「黙れゲスが💢」

何て酷い会話だ…。バレないように息を潜めておこう。

こうして、2、3時間くらいずっと、待機したという。