車で轢いた女は片思いの人だった - 【三途春千夜】 (ページ4)

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『どうして、私を助けたの？』

「は？それは放って訳には行けねぇーだろ」

『そうなんだ…』

轢き逃げすればいいのに…。そしたら、人生をやり直すチャンスが生まれたのに…。

そう考え込むだけで大きなため息が出る。

「何で、お前は飛び出してきた？」

『…』

”理由を聞かれたとしても理由を言わないこと”を私は決めている。

結局答えたって「そうなんだ」って皆は一言で終わり、違う話が始まるだけ。

まあ、試してみてすぐ話が終わったら「ありがとう」って言って明日出ていこう。

『死のうと思ってて飛び出したの』

「…あ”？」

「何でそんなことするんだよ」

「何で死のうとした、何で俺に相談しなかった」

嫌々、LINEとか知らないし、久しぶりに会ったんだから。相談できるわけないじゃん。

あと、何で怖い顔するん？いや、嫌そうな顔してる？

『てか、私のバックってある？』

「ある」

ピンク頭のズボンからスマホを出し渡す。

ん？何でこいつスマホを持ってる？

「LINEの俺の番号入れといたからな♡♡」

『え…いつの間に…あれ？』

私、ロック画面で暗号設定にしていたのに…何で？

もしかして、暗号説いたな。最低、誰が説いたの絶対ピンク頭の友達だろ。

セキュリティーや機械を使うチート的な奴。

「LINEは毎日スッから忘れんなよ？」

『え…』

「死のうかなとか考えんなよ？そうさせないけど…」

こうして、私はくっだらない約束をしてしまった。