車で轢いた女は片思いの人だった - 【三途春千夜】 (ページ25)

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腰を下ろし、驚いた顔でドアを見た。

出なかったのか、ドアを叩くように彼が言う。

「A～、お前がいるのはわっかているからさ～♡開けてくんね？」

蘭さんだ。何で私の家を知っているの？怖いんだけど…。

蘭さんが追いかけてくるよりも凄く恐怖なんですけど…。

私は息を潜め、早く帰ってもらうよう見守る。

「兄貴、もういっそ、壊しません？」

「いや、それは駄目。もし、住んでいるAの部屋じゃなかったどうすんの？」

「はーい…」

よかった、私のドア壊されたら修理代掛かるから…てか、もう死のうと思っているから払わなくていいか。

「でもな、竜胆俺この家の合鍵作ったんだ」

「すげー✨兄貴」

へ？今”合鍵”って言った？はい…？？

すると、ドアの鍵を開ける音がした。私は隠れるようクローゼットに入る。

私は声を出さないように口を手に当て息を潜めた。

『(お願い！早く帰って！)』

「女性の部屋っぽいな～♡」

「兄貴…」

どっちかが物を開けて閉める音を立てる。やばいと思い、私は焦り出し大きな音を出してしまった。

すると、クローゼットの隙間を見ると灰谷はクローゼットの方へ向いていた。

「出ておいで～♡A～♡」

「A～、もうバレてるからな」

クローゼットのドアを全開に開けられた。