車で轢いた女は片思いの人だった - 【三途春千夜】 (ページ23)

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中学時代ー

昼休みの時間俺はAと一緒に屋上で食べる。

『春君、お待たせ！待たせた？』

「いえいえ、俺が早く来てしまったのでA先輩は悪くありませんよ？」

『やだ…///お嬉しいお言葉だな事』

ちょっと照れくさいAを見ると、やっぱり輝いて見える。

手を引っ張るAは、早く早くっと屋上への階段に駆け上がる。

Aの笑顔を見るだけで、心が明るくなる。好きになれる。

「ちょっと、A先輩引っ張らないでください」

『あ、ごめんごめん…ゆっくり歩こ』

弁当のふたを開けるAは、いつも嬉しそうに顔を見せる。

俺はいつも学校に売っているパンを食べていたので、弁当はあまり食べなかった。

『春君、またパンなの？はい！私の弁当あげる！』

「大丈夫ですよ…」

全然大丈夫なのに、弁当をくれるAは好きだった。

『はい。アーン』

「それは大丈夫ですよ…」

『何で～？』

「(付き合ってるみたいになってるから…)」

『でも…駄目？』

目をきゅるッとさせて俺のメンタルがやられる。俺はAの弁当を食べた。

『えらい！えらい！』

頭をよしよしされる。俺はちょっとだけ照れる。

「やめてくださいよ。俺はA先輩の飼い主ではありませんよ？」

『あはは！何それ(笑)』

俺らはAと一緒に昼飯を済ませ、さよならをし、自分の教室へと戻った。