車で轢いた女は片思いの人だった - 【三途春千夜】 (ページ3)

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パチッと夢から覚める。

寝ていた場所はソファーの上で、知らない人の家にいた。

立ち上がろうとすると、崩れ落ちる。落ちた時、右足の痛みが走った。

『痛ッッ…』

言葉を出してしまったが、静かだった。

持っていたバックを探す。スマホでLINEと時間を確かめるからだ。

うるさい上司のLINEを既読無視をした場合、LINEがうるさくなるからだ。

(どこにあるの？私のスマホ…)

探してもバックが見つからない。

全然死ねないのなら、書類がまだあるのに…。

バックが無いのならば、家の時計を見る。

”21：45”

もうこんな時間か…。

どうしよう…、知らない人の家にいると不自然だよね…。

ガチャッ

扉が開いた音が聞こえてきた、多分玄関の方だ。

誰かと話している声が聞こえる。多分男性だ。

何をされるのか、怖いので考える。だが、間に合わなかった。

「ボス、今回の件については”潰す”っていうことですね…」

何話してんだ？潰すって何だよ…。

電話を切ると、私の方へと来る。

やばい、何されるのか怖い…。こんな人に殺されるのは嫌だ！

自分で死んだほうがいい！っと顔を上に向くと、ピンク頭がいた。

『うわ！』

びっくりのあまり声をあげてしまった。

「よっ♡A」

何で私の名前を知っているの…？

ストーカーとか？誘拐事件？？嫌々、こんなBBAがイケメンに攫われる訳ないよね。

「俺のこと分かるか？」

オレオレ詐欺か？！そんなにBBAに見えるんか！失礼な！

でも、このピンク頭見たことあるような…。

『お名前を聞いたら、分かると思います』

「三途春千夜だ」

その名前を聞いた瞬間、思い出した。昔中学校の頃めっちゃ、私の事懐いていた奴だった事を。

うん☆こんな奇跡なことあるんか？

『ないないない…』

「Aさん！」

どんだけ、昔の事を思い出させようとすんねん。

「これなら分るよな？」

『はい…思い出しました…』

忘れさせねぇ…みたいな言い方だな。てか、性格変わったか？

昔の方が綺麗な敬語使いだったけど…。

『性格変わった？』

「は？」

『あ…すみません…』

「やっぱ思い出したんだな♡」

抱きついてくる。そんなに会いたかったのか？嫌、そんなことないか…。

力強すぎて、苦しくなるが、離れようとしても離れられない。

仕方がないと思いながら、てかピンク頭の服の優しい匂いがした。