車で轢いた女は片思いの人だった - 【三途春千夜】 (ページ20)

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#19 三途side ページ20

「A…？何してんだよ」

『三途君…何で…』

「何逃げようとしてんだよ」

キツくタオルで縛って逃げないようにしていたのにどうやって解いた？俺はAに近づこうと足を動かした。

『こ、来ないで…！』

震えた声で俺に言った。でも、どこかプチンッとキレた音がした。Aが逃げる前に早くも腕を掴む。

前へと押し倒す。強かったのか顔が痛そうな表情になる。

『い、いた…』

「何でお前はいつも俺から逃げようとする？！こんなに好きなのになんで分かんないんだよ？！」

顔が熱く感じる。

何で、Aは俺から離れようとする？！何で…

何でだよ?!

こんなに好きなのに愛してるのに全然伝わっていないし、俺のモンにするかぁ？

俺はAに強く口付けをする。嫌そうに唸ると俺の背中を叩く。

でも、その痛みは全然無く。行為に寄せられていく。

『いやっ！』っと抵抗するAだが、俺は聞こえないふりをし、続ける。すると…

春君!!

俺は驚き、固まった。Aは顔が赤く涙を流していた。俺はやらかしたっと気づいた。

「A…す、すまん…怪我無いか？」

『嫌いだ…ﾎﾞｿｯ』

「あ？」

『三途さん何て嫌いだ！もう、私なんて探さないでください！』

濡れたシャツを着替えAは消えた。

俺は洗面所に行き、顔に水を濡らした。泣いている事を隠すために—。