車で轢いた女は片思いの人だった - 【三途春千夜】 (ページ19)

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眠りから覚めると、ベットで寝ていた。動こうとすると、タオルで縛られており動くことができない。

どうにしかして、逃げ出す方法を考える。でも、不可能だと気付いた。

一応見渡すと、隣には春千夜が寝ていた。スースーと静かに眠っており、私は何とかしてタオルを解き物音を出さずに寝室から出ることができた。

外出ができる服装なのか確認する。でも、服装は下着であった。仕事服のシャツとズボンはどこに行ったのか部屋中を探す。

『どこに行ったの？私の服…、何で下着だけにして私を寝かしたのよ…』

洗濯機は回っており一旦止め中を見ると、私の仕事服を洗ってくれていた。私は閉じて洗濯機を回した。

きっと、私が寝ている間服をしてくれたのかと…。

「A…？何してんだよ」

『三途君…何で…』

「何逃げようとしてんだよ」

私は近づく春千夜に抵抗する。

『こ、来ないで…！』

震えた声で私は逃げ場を探す。でも、その余裕は無かった。腕を掴まれ押し倒される。

床の冷たさと押し倒された痛みが肌に伝わる。

『い、いた…』

「何でお前はいつも俺から逃げようとする？！こんなに好きなのになんで分かんないんだよ？！」

春千夜の顔は赤くなり、強く口付けされる。私は春千夜の背中を叩く。でも、その抵抗は無理だった。

どんどんとエスカレートしていき、いけないところを触れる。『いやっ！』っと力で押そうとしても圧倒的に勝てなかった。

もう一回言っても聞く耳を持たずそのまま続ける。私は大きな声を出し、言う。

春君!!

その言葉で春千夜は固まる。そして、私が嫌がっていたことを気づいてくれた。私は涙を流す。

「A…す、すまん…怪我無いか？」

『嫌いだ…ﾎﾞｿｯ』

「あ？」

『三途さん何て嫌いだ！もう、私なんて探さないでください！』

私は濡れたシャツを着替えこの場を立ち去った。