10 ページ10
ダリューン殿とナルサス殿が偵察?に行っている。
てなわけで、今は殿下、エラム殿、ファランギース殿、ギーヴ殿、私の5人である。
ギーヴ殿がどこかへ行っている時、顔を洗いに行くと殿下が席を立った。
「そんなに心配しなくても大丈夫だよ、ふたりとも。顔を洗いに行くだけだ」
「いいえ、お供させていただきます!」
「そうですよ!いついかなる時も、油断をしてはなりませぬ!どこから敵兵が襲ってくるかわからないんですからね!もしも殿下に傷なんてつけられたら……。恐ろしくて考えられません!」
「A、それは大袈裟すぎだ……」
と、殿下は苦笑しながらいった。
「飲みすぎないでください。この季節の水は腹を冷やしますよ」
「わかってるよ」
「霧で足元が滑りやすくなっておりますから、気を付けて!」
「わかってるって〜」
こまごまくどくど言うエラム殿は、まるでお母さんみたいだった。
「霧は……、嫌なことを思い出させるな……」
殿下のその言葉の後、反対側で、水音と馬の鳴き声が聞こえた。
「むこうに誰かいる」
「農民ですか?」
と、小声で話し始める私たち。
「いや、あれは……」
私の言葉の後、霧がなくなり、あちら側の人間が姿を現した。
ルシタニア兵だ。
あちらも私達に気づいたようで、声をかけてきた。
「……貴様……その顔見覚えがあるぞ」
1人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:真希 | 作成日時:2017年8月30日 18時