アルスラーン殿下に、一生の忠誠を誓います。【アルスラーン戦記】♯3♯ (ページ8)

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「正統の王……だと……？」

目を見開き、みけんにシワを寄せたまま、ダリューン殿とナルサス殿は顔を見合わせる。

そこに、殿下がやってきた。

「カーラーン！死ぬなカーラーン！死んではならん！」

カーラーンは、1度周りを見渡したかと思うと、血を吐きながら口角を上げている。

だが……。

「死ぬなカーラーン！生きよ！」

そんな殿下のお言葉には、目付きを鋭くし、はっきりと言い放った。

「おぬしの命令は聞けぬ！」

その直後、カーラーンは今までより多い血を吐き、そのまま……。

カーラーン殿……。

何故、カーラーン殿は裏切ったの？

もしも裏切らなければ……。いや、でも、正統な血を継ぐ者に仕えるのは、当然、か……。

これは、いわゆる「運命」というやつなのか？

それなら、なんて残酷な……。いや、違うな。

これは、「運命」なんかじゃない。最初から、この作者に決められていたんだ。

誰がいつ、どこで死ぬのか、を。