アルスラーン殿下に、一生の忠誠を誓います。【アルスラーン戦記】♯3♯ (ページ5)

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カーラーン達の行動を確認(？)するため、今、私はナルサス殿と見張り的なのをしております。

いや、見張りっていうか、なんていうか……。

お、来たきた。

ナルサス殿の案は凄いなぁ。まんまと騙されてるよ、カーラーン達。

と、私達が油断していると、何者かがナルサス殿を襲った。

剣をギリギリでよけたナルサス殿の長い髪の毛先が、少し切り落とされた。

そして、間髪入れずにまた切り込もうとするその女性は、どこかで見たことがある人だった。

そして、もう一太刀交わった時、火の粉がとび、少し明るくなった。

2人は、少し距離を置く。

「ルシタニア兵ではないのか？」

「カーラーンの部下ではないのか？何者だ」

てか、私さっきから空気じゃね？

「俺はアルスラーン殿下に仕える、ナルサス」

「私はアルスラーン殿下の臣下のAです」

「！……失礼した」

そう言うと、マスクを外し、名を名乗るその人。

「私はファランギース。ミスラ神に仕える者。アルスラーン殿下にお力添(ぞ)えしたく参上した。ずっとカーラーン公の部隊を尾行(つけ)てまいったのだ」

それを聞くと、ナルサス殿は警戒心を解き、少し歓喜を交えて言った。

「ほう、殿下に味方を！よし、さっそく協力してもらおう」

「私を疑わないのか？」

「おぬしがカーラーン党派やルシタニア側だったら今、大声を上げて俺の所在を知らせるだろう？これから裏切り者のカーラーンを捕らえてアルスラーン殿下の元へ連れて行く。人手が増えるのはありがたいことだ」

「今、殿下にお仕えしているのは何人か？」

「俺と、俺の侍童(レータク)と殿下の臣下……そこにいる女性だ。と、天下無双の騎士ひとり……。それに、おぬしらを入れて6人になった」