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そして今、私はエラム殿と別れ、1人で街をさまよっております。
んー、どうにかして城の中に入りたいんだよなあ。
あ、あれは……。
しばらく城の周りをうろちょろしていると、侍女らしき女性が見えた。
よし！顔には自信が無いが、一応話しかけてみよう！
もし、これでオトせればイケメンということになる。
「んんっ」
1度喉の調子を確かめてから話しかける。
「お姉さん、あなたはここの侍女を務めておられるのですか？」
おお！自分でもびっくりするぐらいのイケボォが出た！
「え、あ、はい……」
あ、ほんのり顔が赤い。よし、この調子で……。
「そうですか……。それにしても。なんてお美しい……」
「へ？」
「おっと、失礼しました。つい、本音が……。あ、私、アルジア王国の第一王子でございます」
「それにしても、本当にお綺麗で」
「やだもう、A様ったら。冗談がお上手」
チョロイな。
てか、アルジア王国なんて存在しねーよ。
ちょっと褒めただけでコロッとオチた。
俺、もう男としてやっていけるくね？
「そういえば、アンドラゴラス王はどこにいるかわかりますか？」
よし！なんとか本題に入れた。
「え？アンドラゴラス王……？さあ、私はそういった詳しいことは知りませんの。申し訳ございません」
「そうですか……ありがとうございます。いきなりすみません」
その後、何人かの侍女達に聞いたが、皆口を揃えて知らないという。
「爪、お綺麗ですね」
とにかく、お世辞並べてたら、もっと位の高い人が来て教えてくれるかもしれない。
そう思い、まだ城の中にいます。
しばらく女官や、侍女達と仲良く話していると……。
「A？何してるんですか」
と、呆れ顔のエラム殿発見！
つーか、普通に窓に乗ってるけど……、危ないですよ？
「エラム殿……。それでは姫たち、私はこれで」
そう言うと黄色い悲鳴が。いやあ、モテる男って辛いね！本当は女だけど。
「A！？あなた、性格……」
バレる前に退散したいから、とりあえずエラム殿を横抱きして、遠くまで屋根伝いに走った。
「私は男ですよ」
「知ってます」
こんな会話をしながら、3人が待つところまで急いだ。
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作者名：真希 | 作成日時：2017年8月30日 18時
