アルスラーン殿下に、一生の忠誠を誓います。【アルスラーン戦記】 (ページ6)

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殿下が霧を不満気な表情で見ていると、ヴァフリーズ殿が来た。

「あまり、国王陛下の本陣を離なさるな。殿下、A。この霧では、1度道を失ったらおおごとですぞ」

「この霧は、味方に不利ではないのか？」

ヴァフリーズ殿は、1度笑った後、喋り出した。

「霧であろうと吹雪であろうと、パルス騎兵隊の突進を阻(はば)むことはできませぬ。ご心配なさるな。アンドラゴラス王が即位なさってより、このかた、我がパルス軍は不敗であることを殿下もご存知でしょう。

身体を動かせば余計な事を考えずにすみますぞ。剣の稽古をいたしましょうか？」

ははは……。ここまで来て稽古とは、ヴァフリーズ殿もお好きですね。

「やめてくれ、ヴァフリーズ」

と、まゆを八の字にして、いかにも困った顔をする殿下。

すると、そこに1人の騎兵がやってきた。

「大将軍(エーラーン)ヴァフリーズ殿！急いで本陣へ！」

「何事か？」

「ダリューン殿が陛下のお怒りを買って大変なことに！」

それを聞いたヴァフリーズ殿は、冷や汗を垂らした。

「なんと、我が甥(おい)が！？」

「ダリューンが！？」

あらら……。

「戦の前にそんなことでは、全軍の士気にかかわるではないか！わかった、すぐ行く！」

すると殿下も、私も行こう！と言い出した。

ええ、怒られるのは殿下なのに……。

「殿下が行くなら私も行きます……」

この場合、止めるべきなんだろうか？

いいや、一応原作に沿っておくか。

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言い忘れていましたが、夢主ちゃんは転生トリップしてきました！