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カーラーンの城付近の川で、私たちは汚れた顔を洗っている。
私が来た所で、原作が変わっているかと思ったけど、そんなことはなさそうで安心した。
……にしても。
殿下の顔ぷるぷる可愛いー！
犬みたいに顔を横に振って、水滴を飛ばす殿下。可愛いー！
「ナルサスは、いつぞやおぬしが言っていたひねくれ者の友か？」
「はい。元ダイラムの領主でございました」
「……王の息子の私に会ってくれるだろうか……」
と、不安気に話す殿下。
「そこはそれ、幸いと言うのも妙ですが、殿下とAと私はこのありさま。ひねくれ者ゆえ我々、みじめな敗残者を拒みはしません」
「みじめな……敗残者……」
すると殿下は、何かを思い出したようで、ひどく悲しそうな顔をする。
「今日のところはもう、どうしようもございません。後日、国王陛下と共に復讐戦を挑み、
日が沈み、暗くなる。
森に入ってからは、更に暗い。
ふと空を見上げると、先ほどとは違い、綺麗な月が顔を覗かせていた。
あっちでは、よく歌ってたっけ……。
と、こんな月を見てしまうと、前世の頃を思い出してしまう。
歌いすぎで喉が痛くなった時もあったよね。
「ふふっ」
思い出して、小さく笑ってしまった。
懐かしいなぁ。
この世界には、カラオケってないもんなぁ。
また、カラオケで歌いたいなぁ。
また、友達と遊びたい……。
って、こんな過去ばかり見てちゃだめじゃん！ちゃんと今を見なきゃ！
つーか、思い出し笑いする人って、変態とかあっちでは聞いたけどさ、それなら全員が変態じゃね？って思う。うん。
あ、そっか。たまにはいいけど、日々思い出し笑いする人か。あれ？違うかな？
……まー、どーでもいっか。
「お疲れのところ本当に申し訳ございません。もう少しご辛抱くださいませ殿下」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
中途半端なところですが、次行きます！
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作者名：真希 | 作成日時：2017年8月21日 18時
