赤面系男子

14,少女漫画か ページ14

午前中は晴天だったはずが、今はどしゃ降り
…あの番組の天気予報2度と信じねぇわ
まぁ折り畳み傘は常に持ってるんですがね！くぅ〜！申し訳程度の女子力！
皆さんが困ってるのを横目で見ながらさっさと帰りましょうね〜

「マジかぁ…」

はー聞きたくない声聞こえたなー
傘無いんですかそうですよね、持ってる方がレアだわ
聞かなかったフリして帰りたい！此方から関わりたくない！
けど前に筆記用具借りたし…貸しは無くしたい

周りには…人いないね、ならいいや

「良ければ途中まで入ります…？」

「えっ」

………いや、あの、返事を…
ﾊｧｯ！気まず！やっぱ話しかけなければ良かった！超後悔！


「…ｯｱ、え、俺？」

他に誰いるの？顔熱くなりすぎて脳ミソ溶けた？

「まぁ、はい」

「えっっ…？！あ、ありがとう…ございます…」

…モジモジすんなお前!!動きが恋する乙女なんだよ!!
私がキモおじだったら脂汗かきながらにじりよってたわ、私でよかったね



まぁ、えぇ、私は相合い傘ってのを想定してたのですがね
ちょっと…離れすぎじゃない？
君半分ぐらい濡れてるよね？走ってった方がマシじゃない？
他の人から見たら傘を射してる女子とその隣で濡れながら歩いてる男子じゃん
ちょ、違うんです！いじめとかじゃないんです！この人が勝手に離れてくんです！
何？君、好意振り撒いたと思ったら突然嫌うの何なの？情緒不安定？

てか当たり前のように私の家に向かってるけど君家どこ？流石に反対方向じゃないよね？

「家どこ？」

はい、言葉足りない選手権

「あっハイ！…えっと、○○丁目です…」

うーん真逆
なんかごめんね…私の家ついたら傘貸すからゆるして…

「あ！家ここ？」

いや何で知ってんの？
今君の信頼度かなり下がったよ？
…あー、ふつうに名字書いてあるわ、私がバカでしたすみませんでした

「い、入れてくれてありがとうございました！いつかお礼します…」

お礼のお礼やめろ、てか帰ろうとするな

「ちょっと、ここで待ってて」

「エッ…え？」

たしか使ってないビニール傘があったはず…あった、若干の汚れは見なかったフリしとこう

「これ、よければどーぞ
邪魔だったら捨てていいから」

「え"？いいの？！…わ、ありがとう」

もう半身濡れてるから手遅れかもだけど、私が気遣ったってのが重要だからね

「いえいえー、帰り気をつけて、じゃあねー」

…やべ、返事待たずに扉閉めちゃった
今日滅茶苦茶頑張って喋ったんで許してくれ

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