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53 部活と男心-3 ページ3





海青「…………いや始めたの大人になってからなのでなんとも」


「すっっごい間がありましたけど例えばの話ですよ」



間が長すぎてラグったのかと思ったわ。

自分で指摘した内容なのにそんな気まずそうな顔するのやめてくださいな、問い詰めてるみたいじゃないですか。



海青「……まぁ顧問の先生の指示ならその場では真面目にやるけど」


「けど?」


海青「後で、思い出したりは、する、と思う…」


「なるほど。武知さんはむっつり中学生でしたか」



成人したしっかりした姿しか知らないけど、学生時代は彼の言う”思春期の男子”だった訳か。

なんというか、人間味を感じる。何でもソツなくこなすハイスペックな人に見えてたから。



海青「男はそんなもんやて!思春期の男心はこんなもん!」


「はは、冗談ですって」



顔を赤くして関西弁全開で否定する姿に思わず笑ってしまった。

腕を組んでそっぽを向く仕草が可愛らしい。

画面の向こうの存在が途端に愛しく感じて、彼をじっと眺める。



海青「…何?」


「んーん、なんでもない。時間は平気?明日早かったりとか」


海青「明日は午後から撮影だからまだ大丈夫。高橋さんは?」


「休みー。だからもうちょい飲む予定」



いいなーと言う声に笑顔でいいでしょと返す。

サングリアよりゆっくり飲んでいたレモンサワーも終わり、そろそろ一回チェイサー入れようと水を飲む。

アルコールで火照る身体に冷たい水が気持ちいい。



海青「ねぇ」


「ん?何?」


海青「頑張れって言って」


「へ…?」


海青「明日仕事だからさ、頑張れって」



彼らしからぬ発言にグラスを落としそうになる。

彼はこういう事言う人じゃないと思ってた。いつも前向きで、努力家で、こういうお願いをされると思わなかった。

なんだろう…疲れちゃったのかな。



「…大丈夫?」


海青「えっ?大丈夫だけど…あ!あの別に思い詰めてこんな事言ったわけじゃなくて!単純に休みいいな〜って思っただけで!」


「あ、ああ!そういう!」


海青「ごめん、冗談、言わなくていいよ」



きょとんとした顔の後笑って訂正する彼に安心した。杞憂だったようだ。

あれか『がんばれがんばれ☆』的なあれが欲しかったのか。…私でいいのかそれ。

もっとこう、可愛い女の子の方がいいんじゃないの。



「…お仕事頑張れ海青くん!」


海青「えっ…」



またもラグったように固まる彼。

…いっそ殺してくれ。



ーーー

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ikuuy8008(プロフ) - 更新嬉しいです! (2022年8月16日 12時) (レス) @page16 id: 3c0fd3ac2d (このIDを非表示/違反報告)
からあげ(プロフ) - 八坂リアさん» ご指摘ありがとうございます!まだ慣れずすみません…!! (2022年5月30日 8時) (レス) id: 0c1cba25ac (このIDを非表示/違反報告)
八坂リア(プロフ) - オ/リ/ジ/ナ/ル/フ/ラ/グが立ってしまっているようですよ…! (2022年5月30日 1時) (レス) id: 16d5f57960 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:からあげ | 作成日時:2022年5月29日 0時

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