リアリストの葛藤【２】 (ページ13)

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〈慎SIDE〉

何かに真剣な人ってやっぱり側から見てても素敵だよなぁと思いつつ彼女を眺めていると、突然爆弾を投下された。

「あの足踏み込むのとか、腕振り下ろすとことか迫力が凄いですね！私これ好きです！」

慎「っあ？そ、それはどうも」

「格好いい長谷川さんで、俄然創作意欲が湧きました！」

慎「もう、ちょっと、その辺で…」

めちゃくちゃ褒めてくれるけど流石にちょっと恥ずかしい。

正直ファンの方にコメントもらったり、音楽番組で司会の方が一言くれたり、ありがたい事に褒めていただく事は多々ある。

それでもこんなに目の前で、目を合わせて、台本も何もない素直な気持ちとして伝えられると流石に受け止めきれない。

しかも好きです！って、いやダンスの事言ってるのは分かってるけどさ…凄い殺し文句だよね。

「あ、すいません、うるさいですよね」

慎「や、嬉しいですよ。ただちょっと殺されそうだなって…」

一切の他意がない様で"？"を浮かべたままの彼女に、より羞恥心を刺激されてしまう。

結局耐えきれなくなって、グループの打ち合わせに戻ることを伝えてその場を離れる。

海青さん俺に釘刺してたけど、どちらかというと誑かしてたのは彼女の方でしたよ。

だから俺悪くないです。

遠くでニヤニヤしてる陸さん、絶対に海青さんに言わないでください。お願いします。

〈陣SIDE〉

陣「なんやあれ、まこっちゃんめっちゃ照れてるやん」

力也「さっき誉め殺しされてたよ。格好いい！って」

陣「なんですかそれめっちゃ見たかった」

にしても高橋さん罪な女やな〜海青惚れさせて、まこっちゃんにまで…

…あ、これちゃうな何も意識してへん、けろっとした顔や。

まこっちゃんと離れた高橋さんは目もくれずにノートに書き込んで、イメージを膨らませている。

陸「んふふ」

陣「ほんであんたは何でそんなにやにやしてんのよ」

陸「んふ、だって海青自分が来れないからってわざわざ色男達に釘刺してたんだよ？彼女の方がちょっかいかけてるみたいな絵面が面白くて笑」

力也「こら、面白がるんじゃありません」

ちなみに釘を刺されたメンバーは、慎、樹の2人。一応年上メンバーには言わない所があいつも律儀やな。

北人が「俺は？」みたいな顔してて面白い。

せやなあんたも色男組やもんな。

陸「ほくちゃんは多分対象外じゃない？」

北人「どういう意味です？」

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個人的に北人さんは雄み枠より美人枠なので。