28、私とは ページ28
それが引っ掛かり、私は笑顔のリリイに問い詰めた。
『どうして私がサーヴァンプの中で有名なの？』
それだけ言ってみる。
すると、リリイはニコニコしたままこちらへとやって来たのだ。
そしてそのまま私の肩に両手をおいて、リリイは耳に顔を近づけてきた。
「なっ、リリイ何している！」
「わぁあ雪に何を！」
御園の声と、真昼の声が聞こえたけれど、私はリリイの言葉に耳を傾けていた。
そして
.
.
「…貴方は吸血鬼にとても狙われやすい血を持っているのですよ。
吸血鬼なら、この距離まで来た者は皆吸血衝動が押さえられなくなって雪さんの血を飲みたがる事でしょう」
.
『っ…！？』
.
それだけ言うと、なんとリリイはそのまま首に少しだけ牙を立てて流れた血を舐めてきたのだ。
何をっ…
そう思っても遅く、リリイは血を舐めると自分の口の周りについた残りの血を舐めて笑った。
思わずリリイから距離を取って私は首を押さえる。
どういうこと…？
「り、リリイ！貴様何している！」
「雪大丈夫！？」
またまた御園と真昼の声が聞こえ、私は目の前にいるリリイを見つめた。
彼は…一体私の何を知っているというの。
そう自分に問いかけて、口を開いたリリイの声をよく聞いてみた。
「すいません突然。でも、これで分かって頂けると思います少しは。雪さん、些細な事でもいいので私に何か願い事をして下さい」
ヘラっと笑うリリイに少し呆れながら、私は言われた通りに小さく囁いた。
『…服を着てください』
よく見れば、さっきからずっと肌を出しているリリイにそう言えばリリイは苦笑いしながら服を着た。
そして、苦笑いを続けるリリイを見つめた。
「えっと…今のは何だか普通のお願いだったので分からないと思いますが…。
貴方の血を飲んだ吸血鬼は雪さんが願う事を聞かなくてはならないのです」
普通のお願いじゃない、私からしたらかなり普通じゃないお願いだよ。
なんて突っ込みをいれて私は首を傾げた。
でもクロの時は私、何も願ってない気がする。
そう思った時。
人間の姿になったクロがめんどくさそうに私に説明をしてくれた。
「雪の血飲めばだるさとか消えるから、だからその代わりにお前が心で願った事も叶えなきゃいけねぇんだよ」
あぁめんどくせぇ、と付け足したクロにイラッとしながらも私はハッとした。
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怜衣(プロフ) - 連投失礼いたします。17話まででべルキアが椿のことを「椿」と言っていることが気になりました。以降は直されているみたいなので、ご報告だけしておきました！ (2017年4月26日 18時) (
レス) id: f61c514b96 (このIDを非表示/違反報告)
怜衣(プロフ) - 初めまして！読ませてもらっているのですが、少し気になることがありまして...。べルキアの椿の呼び方は、つばきゅんではないでしょうか？ (2017年4月26日 18時) (レス) id: f61c514b96 (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - ユイさん» ユイさんへ♪お返事遅れてすいません！いつも見てくださりありがとうございます！頑張ります！ (2016年9月6日 21時) (レス) id: b0ed99a4e9 (このIDを非表示/違反報告)
ユイ - いつも見てます。これからも頑張ってください!! (2016年9月4日 14時) (レス) id: 20080c7ffa (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - 主夫LOVEさん» 主夫LOVEさんへ♪ほんとですか！嬉しいですありがとうございます！ (2016年9月4日 0時) (レス) id: b0ed99a4e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪 | 作成日時：2016年8月18日 22時
