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『物資〜…物資〜……無いなぁ、』
客席の椅子の下や通路端っこを隅々見たけど、物資が見当たらない。
もう誰かに取られちゃったかなぁ。
あと30分……、このまま此処でやり過ごしてもよさそうだけど。
5分前くらいに校庭に行って、イデア先輩と合流しようと1人でプランを考えていたら、背後から足音がして反射的に振り返る。
そこにいたのは、ヒラヒラと手を振るルーク先輩だった。
ルーク「ムシュー・愛しの綿毛ちゃん!こんなところで奇遇だね!」
『うげっ、ルーク先輩……』
ルーク先輩は確か《怪物》チームだ。
………まずい。
彼は狩人の血が流れてる。そんな人が《怪物》チームとか、会った瞬間に負けたも同然だよ。
爽やかな笑顔を向けてくるルーク先輩だが、何故か動こうとしない。
何かの罠なのか……わからないけど、早くこの場から離れたいという一心で客席を飛び越え、コロシアム中央へと駆け出す。
──グワッ!
『──っ??!!』
コロシアム中央に差し掛かった途端、真横から《農民》捕獲アームが至近距離に迫ってきて慌てて回避する。
危ない危ない……ちょっと掠めたよ。
グルル…と悔しそうに唸る、《農民》捕獲アームを装着したジャック君。
やっぱり罠だったのか。
いつも気配を消して人の背後に回り込むルーク先輩が、足音を鳴らすなんて可笑しいと思ったんだ。
超肉体派のジャック君と組んでくるとは。
しかもアームを一番持たせちゃいけないタイプだと思うんだけど。
ジャック「先輩っ!覚悟はいいですか!」
『よくないっ!やだっ!!』
ジャック「すんません……、俺、こういうのはマジでやらないと気が済まないんで!」
『やだっ!!捕獲アーム持ってる奴に敵うわけないじゃん!!』
ジャック「ルールはルールです!!竪琴がある限り、俺は守り抜く!!」
いっけね忘れてた!!竪琴って此処にあったんだっけ?!
どうりで物資が無いわけだ。
だって敵陣に乗り込んだようなものだもん。
どうしよう……ジャック君メッチャ本気だし。
ジリジリと近付いてくる度にボクも後退る。
どっちがどう動くか……まさに紙一重だ。
『うぅ〜……』
ジャック「……………、」
もうやだ。ジャック君怖い。
普段はあんなに尻尾振って「先輩先輩!」って来てくれる子なのに、今じゃ襲ってきそうなんだもん。
このままじゃ、イデア先輩とゲーム出来なくなっちゃう。
……………そんなのやだっ!!フォートレイディやりたい!!
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ミヤビ(プロフ) - 神蘿さん» リクエストありがとうございます!イベントストーリーは順次UP致しますので今暫く御待ちください! (2020年11月26日 22時) (レス) id: 1bc8c891e8 (このIDを非表示/違反報告)
神蘿 - リクエストです! ゴーストマリッジ、スケアリーモンスターズの小説をお願いします。これからも更新頑張ってくださいm(_ _)m (2020年11月16日 20時) (レス) id: 7e47203457 (このIDを非表示/違反報告)
ミヤビ(プロフ) - 黒猫さん» ご感想ありがとうございます!沢山笑っていただけてとても嬉しいです。これからも頑張ります! (2020年9月16日 22時) (レス) id: 1bc8c891e8 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫 - とびちれwwwwwレオナさんドアの開け方ww笑いが止まりませんw更新まってますっ! (2020年9月7日 0時) (レス) id: 92bf4c121b (このIDを非表示/違反報告)
ミヤビ(プロフ) - 誓雨さん» ご感想ありがとうございます!『あつまれ』の反対は何だろう?と自分なりに考えた結果、『とびちれ』になってしまいましたww笑っていただけて嬉しいかぎりです!ありがとうございました! (2020年6月17日 12時) (レス) id: 1bc8c891e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミヤビ | 作成日時:2020年6月13日 1時