サバナクローの美猫さん番外編

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イデア「拙者に……！
拙者に捕まってください！！」

『何の告白ですかソレ。』


ていうか、可笑しい可笑しい。
何で同じ《農民》に捕まってくれって言われてんだよ。

すっかり真っ赤になった髪とチラチラ覗き見える赤くなった耳を見て、凄く勇気を出したんだなぁとわかってしまう。
コミュ障のイデア先輩がここまで頑張ったんだ。話くらいは聞いてみないと。


『ボクがもしイデア先輩に捕まったとして、一体何をするつもりなんですか？』

イデア「え？！いいの？！」

『誰もyesなんて言ってない。内容によっては別にいいですけど……』

イデア「あ、あぁ……そっか……」


【１日ボクを好きにできる】だから、内容によっては頷きたくないしね。
ボクの言葉を聞いて、ジャージのポケットに手を突っ込んで何か四角い箱を出してきたイデア先輩。


──こ、……これはっ！！


イデア「フォートレイディ……一緒にやりたいなぁ……って…」


《フォートレイディ》じゃないか！！
今や大人気のオンラインゲーム！！

何で今ソレを持ってるのかは気になるところだけど、そんな事どうでもいい。
サバゲーのようなアクション系でもあるけど、集めた素材で壁や階段を作るちょっと変わったゲーム。
発売初日に買いに行ったけど、何処も売り切れでダウンロード版も混雑状態で断念したのは記憶に新しい。


イデア「ヒヒッ…発売前から既に予約はしてあったのです。
この手のゲームは人気故に、争奪戦が繰り広げられるのは目に見えていたでござる。
……でもやりたくないなら今の話は無しに――」

『やりたい！！凄くやりたい！！ありがとうイデア先輩！！』

イデア「ひぇ！？」


嬉しすぎて思わずイデア先輩に抱き着いてしまった。
頭上から情けない声がしたけど、イデア先輩はこれすらも抵抗あるのかな？
後ろから「よかったね兄さん！」とオルト君の嬉しそうな声がするけど、貴方のお兄ちゃん固まってるよ大丈夫？


『イデア先輩？イデア先輩〜？』

イデア「…………………、」

『返事がない。ただの屍のようだ。』

オルト「兄さん凄く喜んでる！」

『これで？』

オルト「うん！」


一体どうなってるんだシュラウド兄弟。
ボクにはよくわからんぞ。

まぁでも、ボクがイデア先輩に捕まったってなるなら、ヴィル先輩も追い掛けては来なくなるしよかったのかな。
残る問題はどうやって制限時間内に誰にも捕まらず【ハッピービーンズデー】を潜り抜けるかになってくる。





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