HERO side ページ29
.
(ホークス side)
剛翼が告げる……、
《──この男から離れろ…、》と。
会議室のドアが開かれる前から感じていた妙な違和感。
羽根１枚１枚が、僅かに震えて止まらない。
そしてドアが開かれたと同時に剛翼……、いや、生物としての本能が瞬時に働いた気がした。
スパイである俺は相手に勘付かれないよう平静を装いながら、こちらを睨み付ける美少年に戦慄に似た何かを覚えた。
『何故ホークスが此処にいる？』
デストロ「彼も異能解放軍メンバーだったのは知ってるだろ？
ヒーロー側に潜入してもらいながら、情報収集してもらってたのさ。
今日はその報告を兼ねた会議だったんだよ。」
『……………。』
ホークス「あはは…、ど〜も〜…。」
『……………。』
超常解放戦線として名を変えてから数ヶ月。
俺が元々異能解放軍メンバーとして侵入していたお蔭で、いくらか敵連合との接触も滞りなく順調。
特に荼毘との接触は情報量も多い。
分倍河原仁は、本当に敵なのかと疑うくらいに仲間想いで良い人だ。
俺に対しても仲間意識を持って接してくる。
渡我被身子、迫圧紘、伊口秀一はどう思ってるのか知らないが、俺を警戒してる節はあると見た。
……そして、１番厄介なのがこの子……、鬼龍A。
容姿は凄く綺麗なのに、俺がいるといつも顰めっ面。
ヒーロー嫌いが常に顔に出てるせいで、俺も距離を詰めづらいのがかなりネック。
上層部から鬼龍Aの情報は必ず届けるように言われてるのに、これじゃあ前途多難だ。
しかもこの短時間で雰囲気が変わってる…。
より近寄り難いというか、それよりも"近付いてはいけない"と腹の奥底から湧き上がる謎の恐怖感。
まるで、腹を空かせたライオンの前にいる兎になった気分だ。
『まだ報告があるんですか？』
ホークス「あ、いや…、終わってますけど…、」
『なら出て行ってもらえません？
ヒーローがいるというだけで不快なんで。』
ホークス「………。」
……何だろう、この感じ。
恐怖とは裏腹に、この子に軽蔑した目で見られただけでバリ悲しか。
トゥワイス「そんな事言うなってA！
ホークスは俺達の為に敵陣視察してくれてんだぜ？」
『トゥワイスさんは緩すぎなんですよ。』
トゥワイス「えっ？！」
『用がないなら出て行ってください。』
シッシッ、と手で払われた。
トゥワイスが俺を庇ってくれてるが、取り敢えず頭を下げて会議室を後にした。
……っと、羽根も忘れずに。
。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 466人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あ。(プロフ) - 更新ありがとうございます！一体何が書いてあるんだ... (2023年1月25日 17時) (
レス) id: 15aa30fef7 (このIDを非表示/違反報告)
yuuka(プロフ) - めっちゃ好きです！！！！無理しない程度に更新頑張ってください！！ (2023年1月21日 23時) (レス) @page48 id: d07776e606 (このIDを非表示/違反報告)
あ。(プロフ) - 更新ありがとうございます！死柄木...弟(?)愛でそこまで頑張れるなんて... (2023年1月15日 9時) (レス) id: 15aa30fef7 (このIDを非表示/違反報告)
あ。(プロフ) - 更新ありがとうございます。A組の皆んなは鬼龍君の事どう思ってんのやろ...。荼毘のやつは本当に好きなんだろうな (2023年1月13日 23時) (レス) id: 15aa30fef7 (このIDを非表示/違反報告)
蒼(プロフ) - あー、ほんとこの作品大好きです！無理せずに頑張ってください！！ (2022年12月6日 11時) (レス) @page38 id: a1d0294fee (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミヤビ
| 作成日時：2022年7月19日 0時
