第二話 ページ4
ちなみにさっき外に出てネームプレートを見てきたが正宗と書いてあった。天下三作の正宗だよ、やったねたえちゃん！じゃねえよおいバカやめろ。
正宗ってたしか刀剣乱舞ではまだ日向正宗くんしか実装されてたような気がする。ということは私の服は黒と赤になるのかな。
てか日向くん実装されてもう四年になるんだからそろそろ正宗派増えても良くないか？それとも江みたいに実装ラッシュが来るのか？
そして自分の主は誰になるのだろうか、支部でよく見た無名の武士かもしれないし、蔵に閉じ込められてしまうかもしれない。
途中で焼失したり海に沈んでしまうかもしれないが、これからのことを考えるとワクワクが止められなくなる。
そう考えていたら正宗さんが私の本体を庭に持っていき、棘のあるよくわからないそこら中に生えた植物に私の本体をおもいっきり振り上げた。
私には話せる口がないので叫べなかった。(そもそも人間には声が聞こえないのだが)
するとその植物たちは綺麗にすべて真っ二つに斬れていた。
「たった一振りでこれだけある茜をすべて斬ってしまうとは…そうだな、この刀の号は茜にしよう。“茜正宗”だ。」
早速号がつくとは…おいおい嘘だろうお父様(仮)
と思っていた私とは裏腹に、お父様はたいそうその名を気に入ったようだった。
「自分で号をつけるということは今までしてこなかったが、なかなかに良いものを付けられたのではないだろうか。そして今の空はちょうど茜空だ。とても雅で美しい号ではないか
どうか世にその素晴らしい号を刻んでくれや。」
おう、任せてくれやお父様。この茜正宗、この国を狂わすほどの名刀になってやるぜ。
と言っても私自身にそのような力がないので使用者の腕と運次第ということになるが。
というかお父様貴様も文系ゴリラの仲間か。
そう考えていたらお父様は早速街を歩き回って私のことをみんなに話し始めた。
自分が、正宗が打った自信作だ。大量に庭に生えていた茜さえも一振りしただけで全て綺麗サッパリと斬れてしまうほどの切れ味を持った“茜正宗”だと。
その説明だと私が芝刈り機みたいになるからやめてほしい。
もう夜も更けてきているのに大丈夫なのだろうか。
ひとまずこれでこの街の人々には私のことは広まったのだろう。だとすればあと100年まてばいいだけか…とりあえず今は眠ろう
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作者名：kapusan_dao | 作成日時：2022年6月15日 23時
