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第四十六話《 小南家 父side 》 ページ49

あの時まふおくんと話してからほぼ一週間。

Aは未だに部屋に閉じこもっていた。

あれから、自分は娘になにも話せないでいた。

こんな頼りない自分を、娘はどう思っているだろうか…

そんなある日の晩、ついに決断がついて、Aの部屋の扉を少し震えた手で叩いた。そして言った。

やっと話す決意ができた、父さんと…母さんと話をしよう、と。

Aにはまだ言っていないことがあるのだ。昔の事だから、覚えているかもしれないし、覚えていない可能性だってある。

そんなちっぽけな可能性にかけて、今日は僕の話を聞いてくれないか、A…


Aは、渋々扉を開けてくれた。いつも扉の前に置いている三食のご飯には、少ししか手を付けていないようで、少し窶れていた。


「…A、真剣に聞いてくれるかい」

母さんも呼び出して、リビングに家族三人集まり、そう話を切り出すと、Aは面倒そうな顔を垣間見せた。

が、間をおいて、大丈夫、続けて、と真剣な顔で言った。


この間もついカッとなって色々責めてしまったが、僕はこの子にどれだけの負担を負わせただろうか…

「実は…その…僕らとAは…」


「やめてっっ!!!」

話し出そうとしたその瞬間、母さんが机をバンと叩いてそう叫んだ。

「言わないで…お願い、あなた…それを言ってAと…娘との関係がもっと拗れるのは嫌よ!!」


「でも…そろそろ潮時だと思うんだ、母さん。Aにこれ以上負担を負わせる訳には…!」

「負担?!そんなの、あなたがその話をすることでもっとAに負担を負わせることになるわよ!!駄目よ、絶対に言わ…っ…ない…でっ…っ…!」


「ちょ、母さん…!だ、大丈夫なの?」

そう叫んだ母さんは、大きな声を出しすぎたか、呼吸困難になって膝から崩れ落ちた。

それを必死に支えるAに、まだ家族に愛がある…と安心しながらも、話しかけていたことにまた躊躇いが生じてしまう。


母さんの言う通りだ。この話をした所で、余計にAに負担を負わせることになるかもしれない。

でも、これ以上家族の間に虚言を入れたくないのも事実だ。

僕は、母さんを一旦部屋のベッドに寝かせると、もう一度リビングにAを呼び出した。

母さんのことは気にしないで、一晩寝れば戻る症状だから、とAに言い聞かせると、彼女はこくりと頷いた。

「母さんには悪いけど、今ここでお前に言わないと行けない気がするんだ…」

「…うん」


「実は…」



***

続編のおしらせ→←第四十五話《 まふまふside 》



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お茶丸。(プロフ) - しい。さん» ご指摘ありがとうございます!すみません、不覚でした…ご指摘のあった部分だけ修正しておきましたので、確認おねがいしますm(_ _)m (2018年10月24日 19時) (レス) id: 6dbb0f543c (このIDを非表示/違反報告)
しい。 - コメント失礼します。指摘なんですが、天月さん公式マーク入ってないのでそこは注意して下さい、ふと気になりました。 (2018年10月23日 22時) (レス) id: 3e3e1564a7 (このIDを非表示/違反報告)
お茶丸。(プロフ) - スイさん» コメントありがとうございます!!なかなか厄介になってきますので頑張って着いてきて貰いたいです(;´∀`)そんな風に言って貰えると嬉しいです、頑張ります。゚(゚´▽`゚)゚。 (2017年12月10日 12時) (レス) id: 9a94446a1d (このIDを非表示/違反報告)
スイ(プロフ) - すごく面白いです!キヨさんと夢主ちゃんの親御さんにはどんな関係が…(・Д・) 続き楽しみです!頑張って下さい! (2017年12月9日 13時) (レス) id: 77c9f3f671 (このIDを非表示/違反報告)
お茶丸。(プロフ) - Limさん» コメントありがとうございます!!そうなんですよね。私自身、関西地方の者なのですが、志麻さんとセンラさんの口調の違いが難しくてですね…御指摘ありがとうございます、その事も念頭に置きながら、今後更新していこうと思います(´・ω・`) (2017年12月4日 7時) (レス) id: 1dccf2b581 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:お茶丸。 | 作成日時:2017年9月3日 21時

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