【歌い手】ひきこもりでも青春がしたい！！

第十五話《 まふまふside 》 ページ17

「よし、送信、と」


「突然だからなー…許してくれるかわかんないよ」

「あ、返信きた」


「はやっ」


昨日の夜はみんなでゲームして、動画撮って。今日は夜まで遊ぶつもりだ。

そして今、ふとしたきっかけでAちゃんの話になったところである。


そしたら、さかたんがAちゃんに会ってみたいって言うから、LIMEを送ってみたのだ。


「で？！なんて、なんて？！」

「いいよーって」


「よっしゃーー！！」

「えぇ？！何か軽くない？！w」


もっと謙虚な子だと思ってた、と天月くん。僕もそう思ってた…

しかし、いいと決まればこちらも色々と準備が必要なわけで。


「てか、明日って平日ちゃうん？学校とか親とか大丈夫なん？」

「あ、確かに……でも、あの子たぶん一人暮らしじゃないかな」


「なんでわかるん？」


「何でって…親と住むには家が狭過ぎるからかな…あと…失礼だけど部屋がかなり散らかってたし…」


キヨがよく合鍵で出入りしてるとか言ってたしなぁ…


あんな血も繋がってない男の人が通ってるくらいだから、親も流石に住んでないでしょ…


「まふくんその子の家入ったん？！」


さかたんがうわー、と引いた目で僕を見る。変な動機じゃないからね？！僕そんな勇気ないし！


「大学生だったら朝から行っても居ないかもしれないよね」

「そうだね…じゃあ午後からにしよう！」


「その子にちゃんと俺が来ること言っといてや！うわー、めっちゃ楽しみなんやけど！！」


はいはい、と言って再度AちゃんにLIME。

そういえば、天月くんはAちゃんの家入った事ないんだっけ。


さかたんがわくわくしてる横で、天月くんも嬉しそうな顔してる。

ほんのちょっとだけ、勿体無いなぁ…なんて。


…なに考えてんだ、僕は…


「まふくん、顔に出やすいタイプだっけwめっちゃニヤニヤしてどしたのw」


「えぇ？！僕そんな顔してた？！」

キヨとAちゃんの家に行ってから、表情筋が緩くなったような気がする。

それって僕にも幸せが増えたってことだよね！！


そして次の日。天月くんと電車でさかたんを迎えに行って、Aちゃんの家に到着！！

ピーンポーン


「したのはいいけど…」


ピーンポーン


「全然出てくれない…」


ピーンポーン


「まだ帰ってないんちゃう……あっ鍵空いてるやん」

「ちょっ、さかたん、流石に人の家では…！！」


続く▷▶▷

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