第九十八話 ページ7
「…」
「…怖かったね…まふ、大丈夫？」
「そらるさんの嘘つき…」
お化け屋敷から脱出し、傍にあったベンチに座ると、まふは私がついたため息よりも大きなため息をついた。
結局、中では私が怖がるよりもまふのほうが怖がっていた。
途中から無言になって、何が起きても無反応になったまふを私が手を取り誘導していたくらいだ。
そして彼は今も私の手を離してくれない。
「まふ、手…」
「…」
「まふ？」
「…離さない」
俯いてそう言ったかと思えば、彼は急に顔を上げた。
私が頭にハテナを浮かべていると、彼は口を開いた。
「あの日の夜、そらるさんに…告白されたんだって…？」
「…まぁ」
「なんて言ったの」
私はなんて答えたらいいか、一瞬迷った。
しかし、真剣な顔で私の目をまっすぐ見つめる彼に、その迷いは晴れた。
「ごめんなさい…って」
「なんで？」
「なんでって…中途半端なまま答えるのは失礼だし…彼のことをそういう意味で意識したことなんてなかったから…」
言葉にしてから、自分が彼にひどく素っ気ないことをしてしまったことに気がついた。
彼の好意を私は台無しにしてしまってはいないだろうか。
そんな考えが頭をよぎる。
「そっか」
「ていうか…なんで知ってるの？」
「そらるさんに聞いた」
まさかの本人に？！、そう言って驚くと、まふはそらるさんが自分から言った、という。
「そらるさんはなんて……いや、やっぱなんでもない」
「聞きたくないの？そらるさんの反応」
「こんなデリケートな話、彼以外の…しかも友人の口から言わせるのは気が引けるな…と思って」
「Aちゃんは優しいね…けど、他人の事考えすぎ。たまには自分の気持ちも優先させた方がいいよ……って僕も人の事言えないけど」
「うん…あ、そう言えばずっと謝らなきゃって思ってたことがあって…」
ん？、と疑問を浮かべるまふに、私は一旦深呼吸して口を開いた。
「いつも迷惑かけてごめんなさい！！」
「えっ、ちょ、Aちゃんどうしたの…？！」
「あのライブの日の夜、私、人に迷惑かけておいて、まふに頼って抱きついたりなんかして…面倒だと思われてもしょうがない…よね…」
涙が出そうになるのをぐっと堪えようとするが、耐えきれなかったものが頬をつっと伝う。
その時の私は、こんな所でこんな話…なんて全く考えていなかった。
ただ一心に思っていたのは、
"彼に嫌われたくない"
それだけだった。
終わり
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お茶丸。(プロフ) - 咒萌琉(じゅめる)@ちゃんこ様さん» ミュウさん！！？お久しぶりですまだ見て頂けていたんですか…(´ﾟωﾟ｀)しかも憧れだなんて…ありがとうございます…(感涙)更新頑張ります……！！ (2019年1月27日 11時) (
レス) id: 6dbb0f543c (このIDを非表示/違反報告)
咒萌琉(じゅめる)@ちゃんこ様 - 元ミュウの者です！いえ、本当にゆっくりでいいんですよ！？私も忙しくてですね…(´・ω・`)お茶丸。さんに憧れて小説を作りました…！お茶丸。さんのおかげです！マターリと更新頑張ってください！ (2019年1月20日 15時) (レス) id: 6bd5899d44 (このIDを非表示/違反報告)
お茶丸。(プロフ) - 鈴明さん» コメントありがとうございます！！そうなんですか！、好いていただける作品になっていてよかったです(*´∀｀)応援ありがとうございます！更新頑張ります！！ (2018年11月19日 20時) (レス) id: 6dbb0f543c (このIDを非表示/違反報告)
鈴明 - なかなか実況者と歌い手が出る夢小説なかったのですごい大好きです！応援してます！ (2018年11月19日 20時) (レス) id: 5395c8929d (このIDを非表示/違反報告)
お茶丸。(プロフ) - ミュウさん» ふあああああ！！！ありがとうございます！！ごめんなさい更新遅くて…汗 何度も見て下さってるなんて嬉しいです、、(語彙力)頑張ります！今日中更新します！ (2018年11月11日 18時) (レス) id: 6dbb0f543c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お茶丸。 x他1人 | 作成日時：2018年9月30日 10時
