第五十三話 ページ8
東京のスタジオに久しぶりに行くと、坂田さんに、今日は迷わんかったんやー、と言われ、苦笑する。
まぁ駅には案内所というものがあることを思い出して、教えて貰ったんだけど。
一悶着あった後に心を込めて作った動画は、志麻さんや徳井さんに褒められ、即採用となった。
あとは、志麻さんがこの一週間でつくったプロフィールを繋げるだけとなる。
音響や放送も、前見た時よりも様になっていて、思わず拍手をしてしまったくらいだった。
「Aちゃ〜ん、飲まへん？」
「センラさん！お疲れ様です」
ちょっとした休憩時間、椅子に座って一息ついていると、センラさんが缶コーヒーを持ってきてくれた。
「どう？調子は。志麻くんに虐められてへん？」
「志麻さんはそんなことしません！もうあと少しで出来上がりですかね」
「えー、はやいなぁ、まだあと三週間あんで〜？Aちゃんもうちょっと居ってよ」
私は、自分のお仕事が終わったら解散しなければならない。
なぜなら、このチーム活動が終われば、皆は歌のリハーサルをしないといけないからだ。
別に居ても怒られないんだけど、歌い手でもない私が、皆のリハーサルを見学するだなんてこと、おこがましいし…
何より、手伝わせて貰えただけで十分なのだ。
センラさんは少し不服そうだったが、私は歌い手でも何でもない、友達参加だからしょうがないですよ、と返した。
本当はライブ、見てみたいけど。
「まぁ、ええわ、Aちゃん頑張ってるみたいやし！あ、そや、前々から気になっとってんけど」
「なんですか？」
「俺のこと、センラって呼んでええんやで？敬語もなしで」
「そ、それは…無理です」
「なんで？まふくんとかluzくんにはタメやん」
まふや、luzくんは話しやすい友達って感じだけど、センラさんとか、志麻さんとか、そらるさんとかは、頼れる兄みたいな存在で。
年も、まふやluzくんよりも離れているのかな。
それは、衰えているとかそういう意味じゃなく、彼らよりも、一層大きな存在だということ。
そんなことをセンラさんに言うと、そ、か…と少しだけしょんぼりした表情を見せてから、でも！と笑った。
「センラのことそんな風に思ってくれてたなんて嬉しいわ！迷惑ばっかかけてる気ぃしかせんし…」
そう言うセンラさんに、本当に、お酒は程々にして下さいね、と意地悪く笑って見せた。
そして、考えとくわ、とセンラさんが答えたところで、休憩終了の合図が鳴ったのだった。
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あ - 「つゆ知らず」ではなく「つい知らず」では？ (2019年11月23日 19時) (
レス) id: a5d39e3f52 (このIDを非表示/違反報告)
お茶丸。(プロフ) - 琴葉さん» コメントありがとうございます！！続き……どうなるんでしょうね！！(考えてない)後付けが得意なのでどうなるやらって感じですが、楽しみにして下さっている方がいるから頑張れるってやつです！私のモチベにも繋がるので、これからも応援よろしくお願いします！ (2018年9月24日 21時) (レス) id: 172c3d86d3 (このIDを非表示/違反報告)
琴葉 - 続きが楽しみすぎる…！ (2018年9月24日 19時) (レス) id: cc1af6d8b8 (このIDを非表示/違反報告)
お茶丸。(プロフ) - やさん» コメントありがとうございます！！いや、そんなこと言ってくださるとは…ありがとうございます！完結…今のところしそうにないですがいつかしなきゃならないんですよね…(-＿-)頑張ります、応援よろしくお願いします！！ (2018年6月30日 22時) (レス) id: 172c3d86d3 (このIDを非表示/違反報告)
や(プロフ) - はじめまして。夢主さんの自分らしくて可愛いところも、歌い手さん方の優しいところも全部全部ドツボの作品です、、！完結まで待ってます（＾_＾） (2018年6月30日 21時) (レス) id: 8d18ba62e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お茶丸。 | 作成日時：2017年12月26日 10時
