第九十二話《 まふまふside 》 ページ48
「…お前にそうやって慰められる日が来るとは思わなかっただろうな、昔の俺も」
「…僕は昔から、貴方の、そらるさんの言葉に何度も勇気づけられました。だから…恩返し…といいますか…」
今度は…僕が貴方を守る盾になりたいんです。
僕がそう言い切ると、彼は大袈裟だな、と笑った。
「それじゃ、無限ループだろ。俺が盾になって、お前が盾になれば、俺がまた壊れた盾を修復しようと盾になって…それじゃ意味が無い」
「それなら、一緒に矛になりませんか？二人ならやっていけないこともないでしょう」
「お前な…」
そう呆れる彼だが、表情は先程より解れているように見えた。
気のせいかも知れないが、心做しか僕を疑っていた目が、僕を信頼してくれているように感じた。
そして僕は笑いながらも、彼の目を見て思いついたように言った。
「そうだ、矛とか盾とか、そんな無機物になったって仕方ないですよね。どうせ壊れちゃうものですし。勇者にこそなれなくても、村人AとBとして二人で歩むくらいは出来るでしょう」
「村人Bは姫に一目惚れした。けど断られた。次は村人A、お前の番だ」
「承った！！」
そう言ったところで、二人同時にぷっと吹き出した。
そらるさんは僕に託してくれた。いつまでも僕を助けてくれた。
その思いを無駄にしないように、僕は自分の想いを伝えなきゃいけない。
それは、彼のためにも。そして、Aのためにも。
「はぁ、笑った…で？お前どうすんの？」
「とにかく、今度の打ち上げの時にでも、Aと話してみようと思います。そこで決めようと思います」
「なるほどな……そういえば、まふまふ」
「なんですか？」
「お前、Aのこと呼び捨てだった？」
え？
「いつも心の中ではそうですけど…もしかして、ずっと呼び捨てしてました？」
「そうだよな、お前Aちゃんって呼んでたよな…いやー、まふまふの本性を見た」
「本性ってなんですか！！え、やめてくださいね、Aに言うのは！」
どうしようかなー、と棒読みで言ういつもの調子に戻った彼の目は、もう僕を疑ってはいなかった。
がんばれよ、と、そう言っているようにも見えた。
とにかく、今度の打ち上げの事についてAに知らせなきゃ。
僕はそう思ってお誘いのLIMEを送ろうと、携帯を手に取るのだった。
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あ - 「つゆ知らず」ではなく「つい知らず」では？ (2019年11月23日 19時) (
レス) id: a5d39e3f52 (このIDを非表示/違反報告)
お茶丸。(プロフ) - 琴葉さん» コメントありがとうございます！！続き……どうなるんでしょうね！！(考えてない)後付けが得意なのでどうなるやらって感じですが、楽しみにして下さっている方がいるから頑張れるってやつです！私のモチベにも繋がるので、これからも応援よろしくお願いします！ (2018年9月24日 21時) (レス) id: 172c3d86d3 (このIDを非表示/違反報告)
琴葉 - 続きが楽しみすぎる…！ (2018年9月24日 19時) (レス) id: cc1af6d8b8 (このIDを非表示/違反報告)
お茶丸。(プロフ) - やさん» コメントありがとうございます！！いや、そんなこと言ってくださるとは…ありがとうございます！完結…今のところしそうにないですがいつかしなきゃならないんですよね…(-＿-)頑張ります、応援よろしくお願いします！！ (2018年6月30日 22時) (レス) id: 172c3d86d3 (このIDを非表示/違反報告)
や(プロフ) - はじめまして。夢主さんの自分らしくて可愛いところも、歌い手さん方の優しいところも全部全部ドツボの作品です、、！完結まで待ってます（＾_＾） (2018年6月30日 21時) (レス) id: 8d18ba62e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お茶丸。 | 作成日時：2017年12月26日 10時
