第九十話《 そらるside 》 ページ46
時は遡って2日前(LIVEの日の夜)…
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
「はぁ…俺…なにやってんだよ…」
家に帰って心を落ち着かせようと椅子に座ると、先ほどのことがどうしても思い出されてしまう。
ふられたんだ。俺は。
この恋が実らないことは分かっていた。
想いを伝えたところで、彼女が笑ってOKサインを出してくれるとは正直思っていなかった。
だけど実際、好きだと言ってみて、彼女に頭を下げられた時はやはり心が折れそうになった。
彼女は恋を知らない。
きっと心から愛すということを今まで経験したことがないのだろう。
俺が好きだと伝えた時、彼女は一瞬狼狽えた。
悲しそうな目で俺を見た。
あんな目はさせたくなかった。
俺の心は矛盾している。あんな悲しそうな目はさせたくなかったが、俺は想いを伝えたかった。
今しかないと思った。
「俺は優しい人なんかじゃない…最低だ…」
人の心を弄んだのと同じだ。
あの時俺は笑えていただろうか？
ありがとう、と。心から言えていただろうか？
…わからない。
これじゃ、まふまふと何ら変わらないではないか。
普段偉そうに言ってられないな、と、乾いた笑いを零したその時。
ピンポーン、と家のチャイムが鳴った。
誰だか予想はついていた。というか、こんな夜遅くにうちを訪ねてくるということは、一番近くに住んでいるあいつしか考えられない。
「ただいま留守にしておりま」
「せんよね！！嘘つかないでください！出てください、そらるさん！！」
「はいはい…お前こんな夜中に何の用だよ…まふまふ…」
「ちょっと…気になることが…」
気になること。俺には分かる。彼が何を気にしているのか。
俺は暗い表情をするまふまふを部屋の中に招き入れた。
そして、ダイニングソファーに彼を座らせ、紅茶を入れ、テーブルにコト、と置いた。
「気になることって？」
「分かってて聞いてます？…まぁ、 いいんですけど」
紅茶、ありがとうございます、と言いながら、はぁ、とため息をつくまふまふ。
「率直に聞きますけど、さっきの…見てましたよね？」
「さっきのって？」
「彼女が…Aが僕に抱き着いてきたとき。僕は曖昧な返事をしてしまった。あの時、貴方は少し離れた所で見てましたよねって言ってるんです」
下を向いて、目を伏せながらそう零すまふまふ。
俺は、お前の期待に応えるような返答は出来ないぞ、と前置きをして、口を開いた。
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あ - 「つゆ知らず」ではなく「つい知らず」では？ (2019年11月23日 19時) (
レス) id: a5d39e3f52 (このIDを非表示/違反報告)
お茶丸。(プロフ) - 琴葉さん» コメントありがとうございます！！続き……どうなるんでしょうね！！(考えてない)後付けが得意なのでどうなるやらって感じですが、楽しみにして下さっている方がいるから頑張れるってやつです！私のモチベにも繋がるので、これからも応援よろしくお願いします！ (2018年9月24日 21時) (レス) id: 172c3d86d3 (このIDを非表示/違反報告)
琴葉 - 続きが楽しみすぎる…！ (2018年9月24日 19時) (レス) id: cc1af6d8b8 (このIDを非表示/違反報告)
お茶丸。(プロフ) - やさん» コメントありがとうございます！！いや、そんなこと言ってくださるとは…ありがとうございます！完結…今のところしそうにないですがいつかしなきゃならないんですよね…(-＿-)頑張ります、応援よろしくお願いします！！ (2018年6月30日 22時) (レス) id: 172c3d86d3 (このIDを非表示/違反報告)
や(プロフ) - はじめまして。夢主さんの自分らしくて可愛いところも、歌い手さん方の優しいところも全部全部ドツボの作品です、、！完結まで待ってます（＾_＾） (2018年6月30日 21時) (レス) id: 8d18ba62e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お茶丸。 | 作成日時：2017年12月26日 10時
