第八十八話 ページ44
次の日の朝。私はなーくんに叩き起こされ、寝ぼけた目を擦りながらリビングへ向かった。
時刻は7時ちょうど。お仕事をしていた時と同じくらいの時間だ。
ふぁ〜、と大きな欠伸をしながらリビングのドアを開けると、そこには異様な空気が漂っていた。
「……さとみ」
「…ハイ」
「昨日の夜、こなに何しやがった…」
「なんもしてないです…」
「嘘つけ！！お前に限って女の子を目の前にして何もしないなんてありえないんだよ！！」
凄い形相でさとみを睨みつける莉犬と、それになんで怒ってるのか状況を理解してないさとみ。
そして周りでるぅとさんが慌て、ころちゃんが笑い転げ、ジェルは莉犬と一緒にさとみを睨んでいた。
いや…うん。先にリビングで寝ちゃったの、莉犬だからね？？
いつも莉犬起こすと機嫌悪かったじゃん？だから我慢してさとみと寝たんだよ？
そう目で訴えかけていると、なーくんが莉犬を宥めようと声をかけた。
「まぁまぁ、莉犬くん、落ち着いて。ほら、Aちゃんが困ってるでしょー」
「あっこな！！俺と一緒に寝るって言ったのになんでさとみちゃんと寝たの！！危ないじゃん！！」
「俺、ほんとに酷い言われよう…」
うん、それはごもっともなんですけど。
でもね、莉犬、人は見た目じゃなくてさ…
「だってさとみ、Fドラプレイヤーなんだもん…」
「出たよwwこなみんのFドラプレイヤー贔屓w」
「こな、昔からそのゲームやってるよね…俺、あのゲーム飽きたんだけど…」
「だからこそ、プレイヤーが少ないんでしょうが！！」
「まぁまぁ2人とも落ち着いて？朝ごはん食べよか？ん？」
莉犬と言い合っていると、なーくんが止めに入った。笑ってるけど目が笑ってない。
私はゲームの話になるとどうしても感情的になってしまう。自分の悪いところだ。
私は大人しくテーブルに置いてあったオムライスを…
「…またオムライス？」
「あっ、A、それ俺が作ってん！昨日美味しいって言ってくれたからまた…」
「いやお前夜もオムライスだったじゃん」
「…だって俺オムライスしか作れんねんもん…」
このポンコツ！！
オムライス作れたらほかも作れるでしょ？！馬鹿なの？！
そう言いたいのをグッと飲み込んでオムライスを口に運ぶ。
昨日と同じように美味し…
「…くない…何入れたの…？」
「ずっと同じ味は飽きるかと思って冷蔵庫にあったお前の大好物のいちごみるくを…」
「はっはっはそうかそうか…しね」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 475人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あ - 「つゆ知らず」ではなく「つい知らず」では？ (2019年11月23日 19時) (
レス) id: a5d39e3f52 (このIDを非表示/違反報告)
お茶丸。(プロフ) - 琴葉さん» コメントありがとうございます！！続き……どうなるんでしょうね！！(考えてない)後付けが得意なのでどうなるやらって感じですが、楽しみにして下さっている方がいるから頑張れるってやつです！私のモチベにも繋がるので、これからも応援よろしくお願いします！ (2018年9月24日 21時) (レス) id: 172c3d86d3 (このIDを非表示/違反報告)
琴葉 - 続きが楽しみすぎる…！ (2018年9月24日 19時) (レス) id: cc1af6d8b8 (このIDを非表示/違反報告)
お茶丸。(プロフ) - やさん» コメントありがとうございます！！いや、そんなこと言ってくださるとは…ありがとうございます！完結…今のところしそうにないですがいつかしなきゃならないんですよね…(-＿-)頑張ります、応援よろしくお願いします！！ (2018年6月30日 22時) (レス) id: 172c3d86d3 (このIDを非表示/違反報告)
や(プロフ) - はじめまして。夢主さんの自分らしくて可愛いところも、歌い手さん方の優しいところも全部全部ドツボの作品です、、！完結まで待ってます（＾_＾） (2018年6月30日 21時) (レス) id: 8d18ba62e8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：お茶丸。 | 作成日時：2017年12月26日 10時
