第八十三話 ページ39
あれは中学二年生のこと。
私には友達が莉犬ところちゃんとジェルくらいしかいなかったものだから、いつもぼっちでいた。
莉犬とジェルは同じクラス、ころちゃんは違うクラスだったけど、なんかいつもいた気がする。
そして。ある日の昼休みのこと。
「Aちゃんっ、お昼食べよー」
「え、これ俺いていいの？」
その日、私はジェルと、ジェルの友達と一緒にお昼ご飯を食べていた。
彼の友達には彼女がいて、その時は確か、彼女との惚気話をしてたっけ。
そんで、ふとした彼の友達が言った言葉がきっかけだった。
「そういやさ、お前、この子とよく一緒に飯食ってるけど、付き合わねーの？」
私はその時その言葉を右から左に聞き流そうとした。
だって一緒にご飯食べてるだけで好き同士だと思わてれるとは思わないし。
しかし、ジェルは否定するどころかこう言った。
「いやいや、俺ら幼稚園の頃から一緒におるんやから付き合ってんのと一緒やん？」
はッ？！え、なにいってんのお前？！
衝撃の言葉に当時の私は頭の中でこう叫んだ。
あまりにびっくりしすぎて声も出なかったのだ。
私はこの頃から恋愛に疎く、好きだとか、付き合うとか、そういう知識もなかったため、それが普通なのだと思ってしまった。
つまり、この時から不透明ではあるが、私とジェルは付き合う事になったのだ。
まぁ私はと言うと、ジェルの言葉からすると幼稚園の時から既に私達は付き合っていたのか…なんて立派な勘違いをしていたわけだけども。
それからはジェルからのアプローチが凄かった。
一緒に遊園地に誘われたり、好きなアーティストのライブだとか色々行ったりした。
私もその一つ一つが楽しくて、あぁ、これがジェルの事が好きって言うことなんだ、なんて思っていた。
しかし。
ある日の放課後、教室でひとり居眠りをしていると、彼はいきなり話しかけてきた。
「A」
「ん、なに…」
その時だった。
彼の体温が、呼吸音が、すぐそこにあって。
唇に、何か暖かいものを感じた。
その時の私は何が起きたのか分かっていなかったが、今ならはっきりと分かる。
______あれが、キス だったということ。
「え…」
「ごめん、A、おれ、もう我慢できない…」
その言葉を聞いたところで、私の記憶は途切れている。
それは記憶喪失とかじゃなくて、単純に思い出したくない記憶だった。
そして数日後、彼から別れの言葉を告げられた。
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あ - 「つゆ知らず」ではなく「つい知らず」では？ (2019年11月23日 19時) (
レス) id: a5d39e3f52 (このIDを非表示/違反報告)
お茶丸。(プロフ) - 琴葉さん» コメントありがとうございます！！続き……どうなるんでしょうね！！(考えてない)後付けが得意なのでどうなるやらって感じですが、楽しみにして下さっている方がいるから頑張れるってやつです！私のモチベにも繋がるので、これからも応援よろしくお願いします！ (2018年9月24日 21時) (レス) id: 172c3d86d3 (このIDを非表示/違反報告)
琴葉 - 続きが楽しみすぎる…！ (2018年9月24日 19時) (レス) id: cc1af6d8b8 (このIDを非表示/違反報告)
お茶丸。(プロフ) - やさん» コメントありがとうございます！！いや、そんなこと言ってくださるとは…ありがとうございます！完結…今のところしそうにないですがいつかしなきゃならないんですよね…(-＿-)頑張ります、応援よろしくお願いします！！ (2018年6月30日 22時) (レス) id: 172c3d86d3 (このIDを非表示/違反報告)
や(プロフ) - はじめまして。夢主さんの自分らしくて可愛いところも、歌い手さん方の優しいところも全部全部ドツボの作品です、、！完結まで待ってます（＾_＾） (2018年6月30日 21時) (レス) id: 8d18ba62e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お茶丸。 | 作成日時：2017年12月26日 10時
