第八十二話 ページ38
そして、時間は過ぎていき、晩飯も無事に食べ終わって、今度は順番に風呂に入ってもらうことになった。
この狭い部屋で、布団をギリギリまでひいて、7人で、しかも男女比６対１って普通に考えたらやばいよな…
まぁ私は全然そういうのは気にしないんだけど、まぁ絶対にさとみとジェルの隣には行きたくないな。
何があるか分かったもんじゃない。
そう思いながらふと風呂待ちの人達の方を向こうとしたその時だった。
「Aちゃんッ危ないッ！！」
そう、るぅとさんの声が聞こえたと思えば、ものすごいスピードで飛んできた何かが私の顔面を直撃した。
「いでっ…と思ったら痛くない…？なにこれ枕？」
「もー！ころちゃん絶対強いっていったでしょ！」
「そんなつもりなかったんだけどなぁ〜」
るぅとさんに、謝って、と言われてころちゃんは私に、ごめん、と言ってきた。
莉犬の風呂中お前らなに枕投げしてんだ。
「もーあかんやんころちゃん力強いんやからー。Aの可愛い顔が潰れてまう」
なぁ、と言ってくるのはジェル。
なんでお前はさっきから背後を取ってくるんだ。
私があっそ、とでも言うような顔でジェルを睨むと、腕をお腹の方に回してきた。
所謂背面ハグってやつだ。
「はぁー、なんでこんなに嫌われちゃったんやろ」
「…お前、今このタイミングでこんな事私がされたくないの分かっててやってるでしょ」
「そうなん？俺はてっきり嬉しいと思って…」
「ないから、やめてッ」
私はジェルの腕の中で必死に抜け出そうとするが、それは無駄な抵抗に終わった。
まぁ相手は男性、普通に考えて無理だとは思っていたけど。
「なぁ、なんで俺のことそんなに嫌ってるん？」
「知ってる癖に…」
「やっぱり怒ってる？」
「もうあの時のことは気にしてないから早く離れて」
そう言った途端、ジェルは私の肩に顔をうずめてきた。
髪の毛がサラサラと首筋に当たり、くすぐったい。
そして彼は私が口を開く前にこう零した。
「気にしてないって…俺がどんだけあの時のこと引きずってるんか分かってるん…？あん時のお前の驚いたような哀しそうな表情が…どんだけ俺の心の中に刺さってるか…」
「……」
あの時、というのは私とジェルがまだ中学生だった頃。
幼稚園から一緒にいるんだから付き合ってんのと一緒だろ、という軽い気持ちで私たちは付き合うこととなった。
それが、正しい選択だったなんて私は今まで一度も思った事はない。
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あ - 「つゆ知らず」ではなく「つい知らず」では？ (2019年11月23日 19時) (
レス) id: a5d39e3f52 (このIDを非表示/違反報告)
お茶丸。(プロフ) - 琴葉さん» コメントありがとうございます！！続き……どうなるんでしょうね！！(考えてない)後付けが得意なのでどうなるやらって感じですが、楽しみにして下さっている方がいるから頑張れるってやつです！私のモチベにも繋がるので、これからも応援よろしくお願いします！ (2018年9月24日 21時) (レス) id: 172c3d86d3 (このIDを非表示/違反報告)
琴葉 - 続きが楽しみすぎる…！ (2018年9月24日 19時) (レス) id: cc1af6d8b8 (このIDを非表示/違反報告)
お茶丸。(プロフ) - やさん» コメントありがとうございます！！いや、そんなこと言ってくださるとは…ありがとうございます！完結…今のところしそうにないですがいつかしなきゃならないんですよね…(-＿-)頑張ります、応援よろしくお願いします！！ (2018年6月30日 22時) (レス) id: 172c3d86d3 (このIDを非表示/違反報告)
や(プロフ) - はじめまして。夢主さんの自分らしくて可愛いところも、歌い手さん方の優しいところも全部全部ドツボの作品です、、！完結まで待ってます（＾_＾） (2018年6月30日 21時) (レス) id: 8d18ba62e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お茶丸。 | 作成日時：2017年12月26日 10時
