第四十九話《 まふまふside 》 ページ4
「あー…もう！！Aがいないとつまんない！！」
「96猫、しょうがないだろ、病気なんだから…」
「でも！一週間も寝込んでるなんておかしいでしょ！！わし、心配で溶けそう…」
Aちゃんが来なくなってから一週間。
96ちゃんは、毎日僕に、Aちゃんがどうしてるのか、聞いてくる。
心配なのは分かるけど、あまり喋っているところも見ないし、どうしてそんなにAちゃんに執着するんだろう。
僕は、今日の仕事が終わったあと、何となく96ちゃんを呼び出してみた。
「まーふぃーどした？もしかして、Aに何か…」
「96ちゃん、どうしてそんなにAちゃんが心配なの…？」
「そんなの、Aが大事な…！！」
「大事な？」
必死に言いかける96ちゃんの言葉に、首を傾げながら、耳を傾けていると、彼女は少し俯いて、でも笑顔をつくって喋り出した。
「大事な…恩人だから。あの子…以前会ったことがあるんよね。もっと、あの子が小さい時に。
悲しそうな…物憂げな…顔で歩いてた。人混みの中を、ぎこちない足取りで。
東京の駅で並んでいる彼女に、なんだかすっごい目を惹かれたんよ。美人だったし」
96ちゃんは、ロリコンなのかも、なんて笑いながら喋っていたけど、目は真剣だった。
「それで…わしは、ずっと彼女の方をよそ見してた。そしたら、ホームから線路に身体がグラッと傾いたんよ。電車はすぐそこにいた」
「…じゃあ、まさか」
「うん。その時、スローモーションで落ちていく気がした。死ぬのかと思った。でも、わしは助かった」
「Aちゃんが…助けてくれた……？」
「…うん」
96ちゃんが言うには、当時まだ幼かったAちゃんは、96ちゃんを助けようと、線路に飛び出して、頭を強打。電車は急ブレーキで止まったから、死には至らなかったらしい。
でも、Aちゃんは…
「覚えてないんだ。きっとあのとき頭を強く打ったから、記憶がなくなっちゃったんだよ。でもわしはすぐに気づいた。あの時の女の子が、Aだって。でも、あの子は、初めましてって言ったんよ」
「…そっか」
「でも、あの頃小さかったし、覚えてないのも当然なんよね！それに、明日はそらるんの家に集まる日でしょ？きっとAも来てくれるよね！」
そう言って立ち上がった96ちゃんは、何となくスッキリした顔をしていた。
「うん…きっと…来てくれるよ」
全く…Aちゃんは無自覚のうちに、どれだけの人に恩を売れば気が済むんだ…
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あ - 「つゆ知らず」ではなく「つい知らず」では？ (2019年11月23日 19時) (
レス) id: a5d39e3f52 (このIDを非表示/違反報告)
お茶丸。(プロフ) - 琴葉さん» コメントありがとうございます！！続き……どうなるんでしょうね！！(考えてない)後付けが得意なのでどうなるやらって感じですが、楽しみにして下さっている方がいるから頑張れるってやつです！私のモチベにも繋がるので、これからも応援よろしくお願いします！ (2018年9月24日 21時) (レス) id: 172c3d86d3 (このIDを非表示/違反報告)
琴葉 - 続きが楽しみすぎる…！ (2018年9月24日 19時) (レス) id: cc1af6d8b8 (このIDを非表示/違反報告)
お茶丸。(プロフ) - やさん» コメントありがとうございます！！いや、そんなこと言ってくださるとは…ありがとうございます！完結…今のところしそうにないですがいつかしなきゃならないんですよね…(-＿-)頑張ります、応援よろしくお願いします！！ (2018年6月30日 22時) (レス) id: 172c3d86d3 (このIDを非表示/違反報告)
や(プロフ) - はじめまして。夢主さんの自分らしくて可愛いところも、歌い手さん方の優しいところも全部全部ドツボの作品です、、！完結まで待ってます（＾_＾） (2018年6月30日 21時) (レス) id: 8d18ba62e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お茶丸。 | 作成日時：2017年12月26日 10時
