第七十話《 そらるside 》 ページ26
「あの…すみません、本当に…」
「いいよ、もう。俺が送って行くっていったんだから」
涙のあとを拭っているAを慰めようとそう言ってみるが、彼女はより一層顔を暗くした。
まふまふに抱きつく彼女を、それをみて迷っているまふまふを、俺はずっと耐えられない表情で見ていた。
俺は宣戦布告した。絶対にAを譲らないと。
そうやってまふまふをその気にさせようとした。が、彼を逆に悩ませてしまった。
まぁそれも想定内ではあるのだが。
伊達に今までAfter the Rainで活動してる訳じゃない。あいつの考えることなんて分かっていた。
仲間をとるか、彼女をとるか。
あいつはきっと迷っている。それであの時彼女に応えることが出来なかったのだ。
そんなことはもう既に分かっている。
俺が耐えられなかったのはまふまふの悩みのせいじゃない。
自分の気持ちのせいだ。
まふまふが次に取る行動なんて読めている。なら、俺がここで動かずにいてどうする？
そんなことを考えながら暫く夜道を二人一言も喋らずに歩いていると、気まずくなったのか、Aから話しかけてきた。
「あのっ」
「あのさ、」
しかし、俺もその時覚悟を決めて喋り出したところだったので、二人、言葉が重なってしまう。
あ…、と、暫く二人で譲り合っていたが、彼女も特に話すことは無かったらしく、俺が喋ることになるのだった。
「あのさ…まぁ気づいてるかもしれないけど…送っていくって言ったのは、俺から言いたいことがあって…」
途切れ途切れになりながらも、心を落ち着かせようと、俺は早々に話し始めた。
そんな俺を察したのか、彼女は、ゆっくりでいいですよ、と言ってくれた。
そんな優しい彼女に、より緊張感を感じずにはいられなかった俺は、もう一度覚悟を決めた。
「俺さ、粉＋実況者シリーズ見てたって言ってたでしょ？あの時から俺…さ」
俺がそこまで言って黙っていると、重要な話なのだと察した彼女は、歩いていた足を止めて、真剣な眼差しを向ける。
俺もそれに応えようと、足を止め、一間置いて、真剣な表情を見せた。
そして、言った。
「Aのこと…好きなんだ」
第七十一話《 そらるside 》→←第六十九話《 まふまふside 》
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あ - 「つゆ知らず」ではなく「つい知らず」では？ (2019年11月23日 19時) (
レス) id: a5d39e3f52 (このIDを非表示/違反報告)
お茶丸。(プロフ) - 琴葉さん» コメントありがとうございます！！続き……どうなるんでしょうね！！(考えてない)後付けが得意なのでどうなるやらって感じですが、楽しみにして下さっている方がいるから頑張れるってやつです！私のモチベにも繋がるので、これからも応援よろしくお願いします！ (2018年9月24日 21時) (レス) id: 172c3d86d3 (このIDを非表示/違反報告)
琴葉 - 続きが楽しみすぎる…！ (2018年9月24日 19時) (レス) id: cc1af6d8b8 (このIDを非表示/違反報告)
お茶丸。(プロフ) - やさん» コメントありがとうございます！！いや、そんなこと言ってくださるとは…ありがとうございます！完結…今のところしそうにないですがいつかしなきゃならないんですよね…(-＿-)頑張ります、応援よろしくお願いします！！ (2018年6月30日 22時) (レス) id: 172c3d86d3 (このIDを非表示/違反報告)
や(プロフ) - はじめまして。夢主さんの自分らしくて可愛いところも、歌い手さん方の優しいところも全部全部ドツボの作品です、、！完結まで待ってます（＾_＾） (2018年6月30日 21時) (レス) id: 8d18ba62e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お茶丸。 | 作成日時：2017年12月26日 10時
