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side 及川
「恵美ちゃん…何を言って」
凍りつくような寒い冬。
なのになぜか心はポカポカとかそういう可愛い単語では表せないほど
熱していて
今にも沸騰しそうだった。
「冗談だよ」
たったその一言で沸騰しかけた熱が一気に冷め
通常温度になる。
「そ、そうだよね。浮かれた自分が恥ずかしい」
恥ずかしさのあまり両手で自分の顔を隠した。
グイッと腕を引っ張られ
恵美ちゃんの暖かい吐息が耳元に降りかかる。
「そのまた冗談。考えてみてね？」
脳内がフリーズして
体内時計はピタリと止まる。
俺は今何を言われているのだろうか。
冗談の冗談？
言葉の意味を理解するのに五分ばかり時間がかかった。
「えぇ！？それってもしかして！！！」
大声を出した時には恵美ちゃんは近くにいなく
ご近所さんのおばさんが俺を見てくすくすと笑っていた。
「す、すみません……」
なぜか謝りながらもその場を早歩きでさった。
こんな良いところでいなくなるなんて本当ずるいよ。
どうしよう、俺の心臓うるさいよ、治れよ。
え、それってやっぱりそういう事だよね。
両思いって事だよね。
“両思い”
好きと好きが重なればそのような単語が生まれる。
この時の俺は少し浮かれていたのかもしれない。
わ、
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作者名：カッパ | 作成日時：2018年8月13日 4時
