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side 岩泉
突然のことに驚きを隠せない。
図星なのかみるみるうちに顔が赤くなる。
「だって、私の呼びかけにこんなにも必死に走ってきてくれたんだよ？勘違いしちゃってもいいよね？」
「え、やっ…」
もしここが神様がくれた告白の場だとしたら
もう少しロマンのある場所でしたかった。
こんなんで好きと伝えてもいいのだろうか。
頭の中で葛藤しているともう一度耳に入る愛しい声。
「…私なんかじゃ好きになるの足らないかな？」
すごい困り顔で
今にも泣きそうな目。
好きな子をこんな表情にさせてしまう自分が憎い。
「そ、そんなことはねぇ！逆に相原は俺のこと好きなのか？」
「んー、どーだと思う？一くんはどうなの？」
質問にさらに質問される。
男から言うべきなのはわかっているのにずるい自分がいた。
ふと恵美の体が小刻みに震えているのがわかる。
こんな寒い中呼んでくれたのに、早く答えて家に返してあげなくては。
「俺は…相原の事好きだ。」
3秒の沈黙。
そんな短い時間でも長く感じてしまう今は
ものすごく緊張しているのだろう。
震えながらも相原は
「私も」
なんて言うから可愛さのあまりに思いっきり抱きしめた。
「は、一くん！？」
「悪ぃ、嬉しすぎてついっ…」
初めて及川よりも先をこした恋。
そして初めてかなった恋。
こんなに嬉しいことなんてあるのだろうか。
「でもね、一くんは女の子にモテるし、他の子と話してるの見るとすごく嫉妬しちゃうなぁ」
なんていうから、可愛すぎて壊してしまいたいくらい。
人は自分のモノになった瞬間から欲張りなのだろうか。
「わかった。なるべく嫉妬させないようにする。必要最低限女子と話さないから」
「ありがとう、大好き！」
そのままぎゅっと抱きしめ
小さな彼女の温もりを感じていた。
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作者名：カッパ | 作成日時：2018年8月13日 4時
