逆巻家の妹はみんなから愛されています。 (ページ9)

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Episode 9 ページ9

『ん…』

目を覚ますとそこには、見慣れている景色が広がっていた。

「A、起きたか!?」

『うわっ！』

急に馬乗りになられて、驚いて声をあげる。

『アヤトお兄ちゃん、そんなに焦ってどうしたの？』

「どうしたのじゃねぇよ！A、ユウナってクソ野郎に殺されそうになったんだろ!?」

アヤトお兄ちゃん、誰から教えてもらったんだろう？

「Aちゃん、大丈夫？」

枕元から顔を覗かしたのは、コウ君だった。

『コウ君！さっきは本当にありがとう！』

起き上がってコウ君に抱きつくと、優しく抱きしめ返してくれた。

「コウ！何Aに気安く抱きついてるんですか！Aは、僕だけの妹なんです！ほら、テディも怒ってます！」

私はコウ君から離れると、カナトお兄ちゃんに向かって両手を広げた。

『カナトお兄ちゃん、ギューしよ？』

「っ！…します！」

カナトお兄ちゃんは一瞬驚いた表情をすると、勢いよく私に抱きついてきた。

『カナトお兄ちゃん、大好きだよ。』

「僕もAのこと大好きです。」

ふと顔を上げると、そこには不満そうにしているお兄ちゃん達が居た。

「カナトばっかりズルいじゃねぇか！」

『後でギューしてあげるから。』

「なら…いいけどよ。」

お兄ちゃん達に優しく微笑むと、カナトお兄ちゃんが私を強く抱きしめた。

『わっ…どうした？』

「A、今は僕とギューしてるんです。僕だけに集中して、他の奴とは話さないでください？」

カナトお兄ちゃんの嫉妬が可愛くて、ついつい笑ってしまう。

『はいはい。』

そんな毎日が楽しい。

お兄ちゃん、大好きだよ。