逆巻家の妹はみんなから愛されています。 (ページ8)

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Episode 8 ページ8

『コウ君!?』

コウ君はユウナ先輩からナイフを奪うと、ユウナ先輩に刃先を向けた。

「君、同じクラスのユウナちゃんだっけ？優しい子かと思ってたけど、Aちゃんにこんなことするとか…」

コウ君はニコッと笑うと、こう言った。

「クズだね。」

ナイフはユウナ先輩の首まで、残り数ミリのところで止まっている。

「ご、ごめんなさ…」

「謝っても無駄だよ？Aちゃんのこと殺そうとしたんだもん。俺が許すわけないでしょ？」

コウ君、口は笑っているけど目が笑っていない。

『コウ君、私は大丈夫だから…ユウナ先輩のこと、離してあげて？』

「Aちゃんがそう言うなら…」

コウ君はナイフを投げ捨てると、私を守るように肩に手を回して立ち上がらせた。

「ほら、早くどっか行けよ。」

こんな声の低くて怖いコウ君、見たことない…

ユウナ先輩は逃げるように教室を出て行った。

「Aちゃん、大丈夫だった!?」

焦りながらそう聞くコウ君は、いつも通りの優しい顔と声に戻っている。

『コウ君…怖かったぁぁぁ！』

泣きじゃくる私をコウ君は優しく抱きしめると、頭を撫でてくれた。

「大丈夫だよ…僕が居るから。」

安心感に包まれ、私はいつの間にか寝てしまっていた。