逆巻家の妹はみんなから愛されています。 (ページ2)

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Episode 2 ページ2

「あっ、A！」

食堂に入ると、私を見つけたカナトお兄ちゃんが抱きついてくる。

「待ってましたよ？」

私の頭を撫でながら、耳元で囁く。

『く、くすぐったいから…』

「可愛い…ほら、僕の隣座ってください？」

「何勝手なことしてるの～？Aちゃんは、僕の隣でしょ？」

ライトお兄ちゃんが、手を掴む。

「僕が先に話しかけたんです！ライトは黙っててください！」

「うるさい。」

「シュウも黙っててください！」

カナトお兄ちゃん、このままにしとくと危ない…

『分かった！今日はカナトお兄ちゃんの隣座るから！それでいい？』

「本当ですか!?嬉しいです！」

そんな可愛い顔して、本当にお兄ちゃんなのか疑うよ…

小声でライトお兄ちゃんにごめんねを言うと、カナトお兄ちゃんに手を引っ張られて隣に座らせられた。

「僕のパン、あげましょうか？」

『ううん。』

首を振ると、カナトお兄ちゃんは私に顔を近付ける。

「僕には分かります。A、遠慮してますね。」

してないんだが。

『本当に大丈夫！朝からそんなに食べれないからさ。』

顔の前に手を出すと、その手を片手で遮られる。

カナトお兄ちゃんの体がどんどん近付いて来て、その度に後ろに下がる。

『うわっ！』

バランスを崩し、椅子から落ちそうになったその時。

「はぁ…カナト、いいかげんにしろ。」

反対側の席に居たシュウお兄ちゃんが、私の背中に腕を回して助けてくれた。

『シュウお兄ちゃん、ありがと…』

シュウお兄ちゃんは返事をせずに、また前を向いた。

鏡を見なくても、自分の顔が赤くなっているのが分かる。

「A、こっち向いてください？はい、あーん。」

『あーん!?』

「何驚いてるんですか？早く口開けて。」

さすがにみんなの前だし、恥ずかしいよ…

「開けないなら、こうするしか…」

カナトお兄ちゃんは、私の首筋を噛もうとする。

『開けるから！』

「せっかくAの血が吸えると思ったのに、残念。じゃあ早く開けて？」

恥ずかしいけど、血を吸われるくらいなら…

『あ、あーん…』

口にパンを入れられる。

『おいし…』

「本当に可愛い…おいしいならよかったです。」

カナトお兄ちゃんはニッコリ笑った。

その笑顔に、思わず胸がドキッと鳴る。

お兄ちゃん達、カッコよすぎませんか…？